「松かげに憩う」1巻を読んだあらすじ・感想~江戸時代末期の本気でヤバい人物

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今回は、ヤングチャンピオンで連載中の「松かげに憩う」の感想を書いています。

幕末当時の長州藩士を中心に絶大なる影響を与えた思想家・吉田松陰を、主人公に据えた珍しい漫画。

幕末物読んでいたら、嫌でも知る事になるほどに名前だけは有名な人物!

吉田松陰でGoogle検索すると「吉田松陰 名言」と出るほどに、現代でも大きな影響力のある言葉を使っていたカリスマ性のある人物だという事は分かります。

幕末のカリスマを主人公にした奇作となっています。嫌いですけど。。

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「松かげに憩う」~作品詳細

作者:雨瀬シオリ

ジャンル:歴史

発行巻数:既刊1巻(2021年1月現在)

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あらすじ

描かれるのは、幕末の器才・吉田松陰!

幕末という狂乱の時代の中で、教育とは何か、人とはどう生きるべきなのかを説く。

今まで描かれていなかった伊藤博文のやりのこした想い。

高杉晋作がなぜ、狂乱のカリスマとなれたのか。

そして、なぜ吉田松陰という幕府転覆の核が生まれ、その男の目に日本の未来がどう映っていたのか。

全日本人必読の美麗ヒストリーコミック。時代を越えて“狂”のレクイエムが鳴る……。

伊藤博文視点からのヤベー人・吉田松陰

物語は吉田松陰の私塾・松下村塾に通っていた伊藤博文が過去を振り返る視点でスタートします。
そして日本帝国初代総理大臣・伊藤博文は、68歳の時にハルピン駅にて暴漢にて暗殺されてしまいます。

伊藤博文は百姓・林十蔵の長男として生まれます。

後に足軽・伊藤弥右衛門の養子となるも低い身分、貧しい生活の中で中間の子として育っています。

伊藤が身分を気にせずに教えを行っている吉田松陰元へ来原良蔵の紹介を受けて教えを受けに行くと、初めて会った松陰は身分による差別等しない「僕」と「君」という話し方をする人でした。

そして伊藤は自分の置かれている低い身分によって受ける差別的境遇を嘆き、どうすれば良いのかを訴えます。

すると松陰は、

身分が低いなんてそんな小さい事を気にするな、自分なんか犯罪者のレッテルを張られているんだ。 けど、そんなの今の幕府が決めて枠組みの中での話だろ?

もっと狂えよ、伊藤君!

描いていて気が付きました、文字するとまともに見える!
最後に一文以外はすごくまともだ!

徳川幕府が徳川の為に作った仕組みの中で生活をしていた江戸時代は、現代を生きる我々には裕福そうに見えているが実は貧富の差が激しく、能力があっても足軽の子は足軽のこのままという時代でした。
(下剋上の時代は終わったので)

江戸幕府は世襲制なので、幕府のトップにいるのはかつてものすごい努力をして役職に就いた優秀な方々、その役職を継いでいくのは勉強しない優秀じゃないお坊ちゃん達(全員じゃないけど)。

そんなご時世だからこそ、松陰は伊藤博文に「身分なんて小さな事を気にするな!」と言ったんでしょう。

幼い伊藤博文に言ったのは創作だと思う。嫌いだし。

松陰の小さい頃もヤベー

松陰先生の小さかった頃のお話です。
彼の複雑な性格は幼少期のちょっと難解な家庭環境にあります。

説明が長くなります!

吉田松陰は23石の杉家の次男として生まれて、叔父であり一緒に生活をしていた57石の吉田家に5歳の時に養子に入ります。

山鹿流兵学師範の叔父・吉田大輔は病弱で生い先短かかったようで、この兵法を廃れさせないためにと言う名目で養子入りします。

ただこれは妄想ですが、松陰を吉田家にいれたのは同居していた杉家が吉田家の57石が惜しかったからだと思っています。

諸説ありますが、当時の一石は約55,000円くらいです。
石高23石の杉家の現在の年収で約126万5千円くらいで、吉田家は石高57石で年収313万円ほどです。両家合わせて440万円くらいです。

9人家族の大家族であった杉・吉田の両家で、もし吉田家の石高が無くなればただでさえ貧乏暮らしをしている中でさらなる貧乏暮らしが待っています。
だから、次男坊である松陰を養子にしたのではないかというのが僕の考え方です。真相は知らないけど!

ちなみに30石の足軽でも10万石の大名でも、この時代は跡取りがいなければどんな身分の方でも石高は取り上げられてしまいます。
しかし、幼くても跡取りがいれば受け取れるため養子にしたという事ですね!

ただ本編で描かれているように、5歳の松陰に吉田家で語り継がれている山鹿流兵学を廃れさせるわけにはいかないというのも本心だったかもしれません。

どんな思惑があったかは現在となっては分かりませんが、吉田家の養子になってからは遊ばせてももらえずにかなり暴力的に教育を受けていたという事が漫画内でも描かれています。

吉田松陰が、狂人と呼ばれる原因の始まりは幼少期の教育にあるんだなって思います。

ほんと、教育って大事です!嫌いですが。

最後に

僕は、昔から吉田松陰を好きになれませんでした。
多分、この漫画がどんなに素晴らしい賞を取っても好きになれないでしょう。

一言でいうと、国家転覆を狙ったテロリストだから。

けど、吉田松陰に妖しい魅力があるのは間違いないと思います。

ヤベー奴だけど本当を知りたい!って思わされる作品となっています。

ぜひ読んでみてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。したっけね!

松かげに憩う 1
松かげに憩う 1

松かげに憩う 1

[著]雨瀬シオリ

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