こんにちわ、歴史と漫画好きのいのまんです。
今回は、イブニングで連載中の「紫電改343」を読んだのでその感想を書いて行きます!
「紫電改343」~作品詳細
作者:須本壮一
出版社:講談社
ジャンル:歴史
発行巻数:既刊1巻(2020年11月現在)
あらすじ
1949年6月マリアナ沖海戦の敗退にて、大半の主力戦艦と搭乗員を失った日本海軍は窮地に立たされていた。
空母を失った日本軍の戦線はフィリピンにまで押し下げられていた。
物資の量も、兵士の質を上げる時間も作れずにいる日本軍が考え付いた作戦が、戦闘機に爆弾を括り付けての「体当たり戦法」である。
初の特攻攻撃(一番機)には、人物・技術・指揮の3拍子が揃った兵学校出身者が望ましく、命令ではなく本人の意思で、後に続く雰囲気を作りだせる物として志願しようとしたのが、歴戦のパイロットで本作主人公の「菅野直」大尉である。
しかし、日本に戻った時にかつて真珠湾攻撃やミッドウェー海戦で指揮を執った航空指揮官・源田実大佐と出会い、新たな任務を告げられる事となる。
それが、今後新設される本土防衛部隊の指揮官としての任務であった。
最前線で戦いたい菅野大尉は初めは固辞するが、初めて行われたフィリピンでの特攻作戦で特攻部隊への粗末な扱いをうけて考えを変えることとなる。
源田大佐の343海軍航空隊の指揮官になることを拝命するのであった。
「紫電改343」~感想
熱血主人公の菅野直大尉
かなり猛々しい人物だったのは調べてみたら、よくわかりました。
なので、物語冒頭でのドックファイトで片翼ぶつけての撃墜もまあやりすぎかとは思うけどカッコよくていいです。
その気性ゆえに、初めは「特攻」の一番機を担うと言っていましたが直掩隊としてついていった感じたことが、
「一度しか撃沈できない体当たり攻撃をするよりも、俺の腕なら何度でも撃沈できる!」
という搭乗員としてのプライドが勝ったことによって、源田大佐の作戦に乗ります。
この1回の体当たり攻撃で一度の撃沈しか成果を出せない不利益さについては、「不死身の特攻兵」の佐々木友次伍長も同じような思いを抱いて特攻をせずに撃沈を目指す方向性で生き残っていますね。
(こちらは命令違反だけど)
初めての特攻隊隊長・関行男
特攻隊一番機を担う関行男大尉の出撃前夜に、密かに呟かれた一言です。
報道班員、日本もおしまいだよ。僕のような優秀なパイロットを殺すなんて。僕なら体当たりせずとも、敵空母の飛行甲板に50番(500キロ爆弾)を命中させる自信がある。僕は天皇陛下のためとか、日本帝国のためとかで行くんじゃない。最愛のKA(海軍の隠語で妻)のために行くんだ。命令とあらば止むを得まい。日本が敗けたらKAがアメ公に強姦されるかもしれない。僕は彼女を護るために死ぬんだ。最愛の者のために死ぬ。どうだ。素晴らしいだろう。
※Wikipedia参照
海軍報道班員の小野田 政(おのだ・まさし)が直接聞いたお話で戦後にこの話をされています。
いのまんは、この話を忘れられません。
関大尉とは、兵学校時代の同期であって特攻前日には菅野大尉と話をしていたという事もあるので、漫画でもぜひその経緯を描いてほしかったなって思います。
一巻冒頭で菅野大尉は特攻の一番機で行くと言ったその後に、特攻機を視察して「これが俺の棺桶か」とつぶやきます。
この一言から、雄々しい言葉を語っているが本心は関大尉と同じく「自分みたいな優秀なパイロットを殺すようじゃ日本に先はは無い」と思っていたのでしょう。(そうゆう描写もあります)
だからこそ関大尉と語り合うシーンがあれば、今後の剣部隊での菅野大尉が一人のゼロ戦乗りの英雄ではなく、人の死を犠牲にした上で立っているという戦争の悲惨さも伝えられたのだろうなって思ってしまいます。
「紫電改343」~最後に
ネットニュースでこの作品の一巻が発売されることを知ったんですが、ちょっと不安な感じで読み始めました。
作者の須本壮一先生は、以前「永遠のゼロ」のコミカライズを書いていたので戦艦や戦闘機の絵が凄く上手だった記憶はあるんですが、僕が「永遠のゼロ」を好きではないのが不安なんですよね。
イメージとしては、この方の描き方ってかっこいいんですよね。
なので「海賊と呼ばれた男」に関しては、最高にかっこよく描かれていて面白かったんです!
とても画力のある方で、もしかしたらハマるかもしれない!けど、零戦物を楽しんで読めない自分がどう感じるのだろうか?といった不安もあるんです。
まだ1巻、1回目に読んだときは菅野大尉の感情描写に不安を抱きましたが2・3回と表情の描き方に変化をつけていることに気が付きました。
仲間たちが特攻に向かって命を落としている中、本土防衛に当たる菅野大尉たちをかっこいい英雄として描くのか、それとも悲劇のヒーローとして描くのか。
零戦の話は大体この2点で終わってしまうのが納得できないで、だからといってどう書いてほしいのかの答えは無いんですが…
「不死身の特攻兵」と共にどう描き切るのかに注目してしまいます!
したっけね、またお会いしましょう!
[著]須本壮一
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