こんにちわ、歴史と漫画大好きないのまんです。
今回は萩尾望都先生のライフワーク「ポーの一族」の最新作の感想述べていきたい思っています!
相変わらず唯一無二の世界観で、読んでて緊張感とドキドキが止まらなくなります。
「ポーの一族」の主人公・エドガーはパンパネラと呼ばれる吸血鬼で、奇妙な魅力があるキャラクターですが、今回は前シリーズ「ランプトンが語る」に出てきた10枚の肖像画の謎を解明していくシリーズのようです。
永遠の命を持つエドガーだからこそできる、前シリーズ「ランプトンが語る」から約70年前のお話。
「ポーの一族 秘密の花園」~作品詳細
作者:萩尾望都
出版社:小学館
ジャンル:ファンタジー
あらすじ
1888年、旅の途中のエドガーとアラン。
突然の雨で、氾濫した川に落ちたアランは体調をを崩して人嫌いで有名なアーサー・クエントン卿の館に滞在することになる。
アランは”眠り期”に入った事で、アーサー邸に予定外の滞在となったエドガーはアーサー卿の絵画のモデルをすることに・・・
旧作「ポーの一族 ランプトンは語る」では描かれなかったあらたなエピソードと一族の秘密にふれる衝撃の新シリーズ。
眠るアランを守るエドガー・・・血と薔薇の香りが香り立つ。
「ランプトンは語る」とは?
「ポーの一族」シリーズの第10作にあたる作品。
今までのシリーズの登場人物を介して、別々の時代・場所に現れる青い目と巻き毛の少年エドガー・ポーツネルが同一人物なのか?またエドガーとその仲間たちはバンパネラ(吸血鬼)なのか?
という不思議な謎の解明にしようとする話となっている。
1966年6月、ジョン・オービンがクエントン館で集会を開き、イギリスの画家トーマス・ロレンスによって描かれた「ランプトン少年像」の模写である作品、顔だけが違う「ランプトンの絵」を約11
枚紹介される。
紹介された顔の違うランプトンの絵を描いたのが、静物画や風景画を好んで描いたアーサー・トマス・クエントン卿という画家であった。
この絵の少年が、様々な時代と場所に絵の中から変わらない状態で登場人物たちの前に現れている事から、彼らがパンパネラではないかという疑惑が生まれていったが、絵の置いてある屋敷が火事になり絵は消滅してしまった。
異常な優しさを見せるエドガー
馬車から川に転落したアランは、エドガーに助けられて岸に上がりますが馬は逃げてしまったため近くの屋敷に助けを求めます。
屋敷の主、アーサー・トマス・クエントン卿の恩情によってアランを休ませることが出来ましたが、アランは以降に回復せずにパンパネラ特有の眠り期に入ってしまったようです。
その事をエドガーはアーサーに対して、自分の一族はエルフのような特殊なもので、アランも一族特有の”眠り病”だから眠りを妨げないように地下室や小部屋のようなところに置いておきたいとと説明したのです。
にわかに信じられなかったが、エドガーがある証拠を見せてくれたことによって信じるようになります。
そして、森の奥にある小屋の中に匿う様に寝かせるのでした。
しかし、アーサーはエドガーの異常な優しさが逆に恐怖に映ると感じてしまうのでした。
突然現れた旅の少年二人を訝しく思わずにいるのは、アーサーが変わった人だったのは間違いないでしょうね。使用人たちはまともな人たちだからか、アランが眠り続けることに疑問を抱いたりしています。
そして、エドガーの顔の「ランプトンの絵」を描いたアーサー卿との出会いはこのような形だったんですね。
エドガーの顔をした11枚の「ランプトン」
アーサーは、「ランプトンの少年」で模写画の「レッドボーイ」がエドガーに似ていると感じていました。
模写の模写で、元の絵とはかなり顔が違っているとの事だが、アーサーは絵を見て思い出すのは初めてできた友だちで、今は亡き少年でした。
アーサーは二人の滞在を許す代わりに、「ランプトン」の絵のモデルを頼むのでした。
ただ、アーサーが人物画を描かないのは有名なようで幼馴染のパトリシアは「ダメよ!肖像画なら私との約束のほうが先だわ!」と怒ります。
パトリシアと初めて会ったエドガーはアーサーに対して「裏切られた恋」と批評していますから、どっちなんだ?って感じです。
人間が描けないのは本当のようで、母親を思い出すから書けない。
母親は昔、父との離婚後に亡くなった事が原因だと話します。
しかし、アーサーが書く肖像画は亡き友の顔ではなく自分の顔だとエドガーは指摘します。
エドガーは人間ではないから、エドガーを書けたという事でしょうか?
偏屈で人嫌いといわれている割には、繊細な面が多いアーサーですね。
狂気のエドガー
「少しづつ獲物がやってくるよ」とささやくエドガー。
アランの回復のためにバラをベッドに置いているが、一番良いのはエナジーを直接与える事。
パトリシアの祖父が、アーサーを訪ねてきたときの帰りにびょしを装いエナジーを吸い取ります。
次は死んだはずのブラザー・ガブリエルが現れ、アーサーの母メリッサの話をしているうちにエドガーにカウスリップのワインを飲ませると中毒症状のようなことが起こってしまう。
屋敷から離れた場所の教会にいた亡くなったバンクス氏の奥さんのアリス夫人から、いきなりエナジーを吸い取ってしまいます。
自由奔放に動くブラザーによって小屋にいるアランがバレてしまわないかと心配になるエドガーは予定外にもエナジーを吸い取り殺してしまい、後はお酒に酔って川で溺れたように見せかけています。
エナジーを吸い取ったときに今までとは違い、なぜかブラザーの記憶までもがエドガーに流れ込んできます。
「ポーの一族 秘密の花園Ⅰ」~感想
あいかわらずの情報量の多さです笑
こんなに設定が細かい漫画も中々ないと思いますよ、読むのに1時間近くかかりました。。
半年くらい前に読んで、今まで読んだ本の中のどれにも当てはまらない、すごい!ともって読み始めましたが、相変わらず笑
しかも、「ランプトンは語る」ってなんだと思って読み返したので、がっちり1時間以上かかりました。
今回はアーサー・トマス・クエントン卿の出会いと、顔の違う「ランプトン」の絵の正体がシリーズ初めのきっかけですが、しかしエドガー怖いですね。
冒頭のアランの我儘な幼さと、マリーベルに通じる弱々しさがエドガーの過保護・過剰な優しさに繋がっているんでしょうけど、使用人のマルコがアランが死んでいるとか言って大慌てになった時はすぐに殺すんじゃないかと思いました。
マルコは話を聞いてくれた事とアーサーの計らいがあったことで大丈夫でしたが、ブラザー・ガブリエルは勢いで殺してしまってますもんね。
この点は、エドガーもまだクールになり切っていない若いエドガーなんでしょう。
アーサー・トマス・クエントン卿は「ランプトンは語る」では無口で人嫌いって描かれているのに、今回読んでみたらそんな事なく意外と繊細な心の持ち主でした。
ただ感情表現が苦手な人だったんでしょうね。
そう考えると、パンパネラの方々は粗暴な一面よりも純粋な一面の方が多いですね。
う~ん、感想書いといて難ですが読み込めてないですね!
あと2回くらい読まないと登場人物の心情が理解できません!
2巻が出るまで楽しみに何回も読み返すよ!したっけね!
[著]萩尾望都
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