こんにちは、歴史とファンタジーが大好きないのまんです!
今回は、少年サンデーで連載中されていて一時話題となった「葬送のフリーレン」を今更読んでみましたのでその感想です。
魔王を討伐を果たした後の勇者御一行のアフターライフなんて絶対自分好みの作品だと思っていたんですが中々読めずじまいで。
面白かったです!
切なさも入り混じったハートフルな物語となっています。
「葬送のフリーレン」~作品詳細
作者:原作・山田鐘人
出版社:小学館
ジャンル:ファンタジー
発行巻数:既刊2巻(2020年11月現在)
あらすじ
魔王を倒した勇者一行、勇者ヒンメル・僧侶ハイター・戦士アイゼン・魔法使いフリーレンの4人は王都に凱旋しました。
10年間もの旅路を終えて感慨にふける彼らですが、長命種のエルフであるフリーレンにとってはその旅はとても短いものでした。
別れ際、50年に一度降るという「半世紀流星」を見た4人は、半世紀後も流星を見る約束をしてパーティを解散します。
50年後、すっかり年老いたヒンメルと再会したフリーレンは、ハイターやアイゼンとも連れ立って再び流星群を観賞してヒンメルが亡くなります。
彼の葬儀でフリーレンは自分がヒンメルについて何も知らず、知ろうとしなかったことを悔いました。
その悲しみに困惑した彼女は、人間を”知る”旅に出るのでした。
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個々における時間の概念が生むを切なさ
本作主人公のエルフ・フリーレンが、人間種と関わる事によって時の有限さを意識することが本作の大きな魅力です。
魔王を倒す旅の10年と、倒した後の50年、これだけで60年です。
還暦を迎えるほどの期間、人間なら一つの人生と呼べる期間でしょう。
1000年を生きるエルフと、長くても100年の人間にとって、1年10年の重みが違いや意識の違いが生まれてもおかしくないですよね。
その意識の差を気が付ける時って何かきっかけが必要だとは思いますが、フリーレンにとってのきっかけはつい50年前に一緒に旅していた勇者・ヒンメルの死です。
フリーレンにとって最近まで一緒にいたヒンメルの死は、思いもよらない心の揺さぶりを与えたという事でしょう。
自分が最近の事だと思っても、相手にとってはそうでもない事って結構ありますからね。 それって、若年者と年配者が話すことでも齟齬が生まれるくらいですから。
いなくなって初めてその人との関係を知ってしまうのはむごいものです、フリーレンにとってはこれからも関係を構築できると思ったんでしょう。
ヒンメルの葬儀に参列して、死を迎えるという事に理解できないという表情から一筋の涙が流れる描写は、試し読みしていて続きが気になるほどの素晴らしい描写でした。
人間をよく知ろうという目的を持ったエルフお話で。
いなくなるという事と向き合う事の出来る良き作品かなって思います。
無意味な一生を送らないために
長寿の話で思い出すのが、ドラゴンクエスト・ダイの大冒険に登場した「ロン・ベルク」という魔族のセリフです。
「オレも何百年も生きてきたが、おまえの下にいた時が最も恵まれていた、最も裕福だった………だが…一番退屈で一番自分が最も腐っていくのが実感できた時だった………!あんな日々はもう二度と御免…だ!!あれに比べればダイたちに出会ってからのこの数週間は…短いが、本当に充実した日々だった。オレの今までの生涯に匹敵する輝きがあった………!同じ過ちを二度くり返すぐらいなら……オレは多少なりとも気に入った人間たちと運命を共にするさ………!!」
彼は優秀な武器職人で大魔王の武器も製作した凄腕の職人でしたが退屈で充実感も無い生活にに腐っていく自分がいた事に気が付き、大魔王の元を去ります。
主人公・ダイたちに出会ってから本来の自分の目的(最強の剣を作る事)を思い出して充実した一時だったという事ですね。
そして魔族は長命ゆえにその一生に意味を見出せずにいるものが多いと言ってます。
エルフで長命のフリーレンも似たようなものだったんではないでしょうか?
趣味は役に立たない魔法収集で、何年もかかるような作業を当たり前のように取り掛かる。惰性で生きているようなもんですね。
そんなフリーレンの元に弟子となったのが、人間であるフェルンです。
彼女は勇者メンバーの僧侶・ハイターが引き取った戦災孤児の子供でしたが、様々な事情で魔法使いの弟子として引き受けることとなり、一緒に旅をすることになります。
どうゆう経緯で勇者・ヒンメルたちと仲間になったかはわかりませんが、彼らと過ごした時間はイヤな時間ではなかったんでしょうね。
だから再会を約束して、50年後に会いますがその50年間は人を老いさせるのに十分な時間で語り合うには残された時間が少ないことに気が付かなかった。
だから、二度目のチャンスです。
10年間の旅路で得られなかった物を、新たに得るチャンスを僧侶・ハイターが残してくれたというわけで。
フリーレンはズボラでだらしなく時間に対して無頓着な性格をしているのですが、それも永い時を生きる者の特権かなと。
学生の頃なら、休みの日にいくらでも無駄なことができたけど社会人になった今ではかなりやることを厳選して休みを過ごしていますから。
人間である弟子・フェルンとの日常は、今までフリーレンが過ごしてきた一日とは全く違う濃密な日々を味わうことができるのではないでしょうか。
フリーレンが今まで得られなかった充実感を一つ一つ味わっていくのを読んでいるのが至極の作品だと思いますね。
最後に
冒険漫画っていいです。
最近は、人気漫画は押さえておくかとバトル系を読んでいたのでちょっと苦痛だったし感想も浮かんでこなかったですし・・・
「葬送のフリーレン」のような漫画があるなら、少年サンデーを読み始めようかなって思いますね。
したっけね~
[原作]山田鐘人 [作画]アベツカサ
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