こんにちわ、いのまんです。
今回は、「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」ちょっと難しい漫画を読んでみました。
話が難解というよりもテーマが難解ですね。
原作者が同性愛者(男性の方)とカミングアウトしていて、異性愛者の方に理解してほしいと願いから書かれた作品の様です。
けど、普通の恋愛漫画としても十分楽しめるし、軽いBL漫画だと思えばそれもまた楽しめました!
でも、随分と短絡的だなって思う部分もありましたけど理解できていないからでしょう。
「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」~作品詳細
原作:浅原ナオト
作画:平原明
出版社:KADOKAWA
ジャンル:社会・恋愛
発行巻数:全3巻(完結)
あらすじ
高校1年、安藤純はホモセクシャルであることを隠して生活しているが、そして年上の既婚男性と肉体関係をもっている。
しかしゲイであることには悩み普通の結婚して子供が欲しいという願望は持っていて、純の苦悩を受け入れ共有してくれるネット上の友人「ミスター・ファーレンハイト」。
ある日同じクラスの同級生・三浦紗枝が本屋でBL本を購入している場面に出くわしてから、紗枝の趣味に付き合わされることとなる。
純は紗枝から告白されたことによって付き合い始めることになるが、SEXをすることが出来ずに自分がゲイだという事がバレてしまう。
紗枝と口論していたのを学校の同級生に聞かれて同級生にまでゲイだという事がバレてしまい、偏見的な態度に耐えかねて勢いで4階から飛び降りてしまう。
純はゲイであることに向き合っていけるのか?
紗枝は純との関係をどのようにするのか?
また、肉体的な恋人・マコトさんとは?
「ミスター・ファーレンハイト」とは?
壊れそうな関係を必死に守ろうとする姿を追う感動の青春群像劇!
「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」~感想(ネタバレ)
普通と普通じゃない事
ジュンが言う「普通」とは、結婚して家庭を作って子供を育てて孫に囲まれるというような通常考えられる「人としての幸福」のお手本を挙げています。
ジュンは、父親がいない母子家庭で育ったために特にそうゆう願望が強いのかもしれないし、恋人であるマコトさんも父親ほど年の離れた中年の男性を選んでいることから父性愛を求めた延長のようでもあります。
自分はホモだけど、そういった生活を求めて同級生の紗枝と付き合ってみますがクールというよりも関心が持てていないです。
ライクの「好き」だけど、ラブの「好き」ではない。
そして、セックスしようとしても反応しないことで失敗にしている。
普通に女性と付き合って、普通に子供を作ることがジュンにとっては難しい以上に苦痛のようにも映る姿は印象的です、
男性を好きだけれど普通の家庭を築く事を一つのテーマにして、その理想として女性との既婚者であるマコトさんに頼ってしまう。
同性愛者としての人生を歩む葛藤が作品の魅力の一つです。
偏見と差別
ジュンは物語中盤で学校全体に自分が同性愛者だという事がバレてしまいます。
その事でクラスから、好奇・偏見・侮蔑・怯えのような様々な感情が入り混じった目にさらされる事になります。
体育の着替えの時も出ていくように言われたり、親友と呼ぶ存在からのスキンシップも無くなります。
最終的に、元々ジュンの事をよく思っていないクラスメイトから責め立てられたことによって4階の教室の窓から飛び降りをする事件にまで発展しています。
作中でもLGBTについて話し合いがなされる場面があって印象的だったのが
「ゲイを隠すことがわるい、隠していること自体が自分が悪いと認識していることだ」
というようなセリフがあって、この事を肯定しているわけでは無いが一つの意見だと認識します。
けど、同性愛者って昔から存在して法律で禁止されていたり宗教でも異端として扱われたりして最悪死刑にまでなっています。
現在は死刑とかは無くても偏見や差別はやっぱりあると思います。
個人レベルでの差別はもちろんダメです、自分の人生を生きたいように生きる権利があるのは当然です。
自分はアニメも漫画も好きですが、上の世代からは馬鹿にされる事もありますし、90年代前半でオタクと呼ばれた人が起こした殺人事件によって印象もよくないんでしょうね。
「人は理解できない事象に関しては、簡単にしてしまう」
偏見が生まれる理由をジュンは分かりやすく伝えてくれます。
同性愛者には差別という言葉がつきまとい、命をつなぐ人間にとって同性愛者をどう考えるか難しい問題だと思います。
確かにLGBTに関しての理解の浅さが偏見を生んでいるんだと自分も思います。
「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」~感想(ネタバレ)
この作品で気になったのが「ホモ」という言葉を使っている事です。
ホモという言葉は差別的用語に聞こえるのであまり気持ちの良い言葉ではないですが、その分題名のインパクトの強さで読んでみたら想像通りの話でした。
作者の方も同性愛者のようで、自分と同じように悩まれている人に向けて書いているとのインタビュー記事も読んだので、あえて「ホモ」と書いているようです。
僕個人の意見としては、カミングアウトしてくれてもかまわないし、「そうなんだぁ」くらいにしか感じません。
タッチの上杉達也役をしてた三ツ矢雄二さんも何年か前にカミングアウトしてましたが「そうなんだぁ」くらいです。
むしろ「俺女好きなんだよね、毎日ヤリてえ」って言ってる男のほうが引くタイプですから。
理解が深まり世間の目が寛容になりまりますように。
したっけね、ばいばい!
[原作]浅原ナオト [漫画]平原明
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