こんにちわ、いのまんです。
今回は、ヤマシタトモコ先生の「違国日記」の感想を書いていきたいと思います。
「違国日記」は「このマンガがすごい」のオンナ偏で2019年4位・2020年10位に入っている作品だったんですね。
そして、外国人との交流の話だと思ってました(それなら異国だもんね)。
そんなことも知らずに読み始めたら、ぐいぐいと物語の中に引き込まれてしまって、息を止めて読んでしまうほど作品でした。
「違国日記」~作品詳細
作者:ヤマシタトモコ
出版社:祥伝社
ジャンル:社会
発行巻数:既刊7巻(2021年3月現在)
「違国日記」~あらすじ
父と母を亡くした15歳の女の子・朝。
朝の両親の葬式で、誰が朝を引き取るのか、本人の目の前で口論していた。
そんな親戚たちの様子を見過ごすことが出来ずに朝の母親の妹である槙生が引き取ることに。
勢いで引き取ってみたものの、槙生は人見知りで他人と暮らす事が出来ない性格だという事を忘れていた。
対して朝は人見知りしない性格である事と、槙生が言ってくれた言葉が胸に響いたこともあって新しい生活を受け入れていく。
「違国日記」~登場人物
高代槙生(こうだいまきお)
少女小説を書いているプロ作家。35歳、女性。
片付けが苦手、仕事部屋は雑然としている。
極度の人見知りで、朝を引き取った当初はまともに会話できずにいた。
また、敏感な感受性を持つ割には勢い重視な面も持ち合わせている。
田汲 朝(たくみあさ)
両親が無くなり槙生と暮らすこととなった中学3年生。
槙生の事は「へんな大人」だと思っている。
社交的な性格で、槙生にはもちろん。槙生の友人にも積極的に話しかけていく。
母親に厳しく育てられたため家事全般は意外とできるが、両親の死に関してはどう捉えてよいかわからずに心の傷となっている。
「違国日記」~感想
正直で素直な姪との同居
両親が無くなって、親戚にはたらいまわしに合って、最終的に小説家で一人暮らしの叔母の家に行くって中々にハードな内容なはずなのだが物語は静々と始まります。
槙生は姉は嫌いなはずなのに姉の娘を引き取るという一見矛盾した行動をして、朝に対しても
「私はあなたをを愛せるかはわからない、でも決して踏みにじることはしない」
ストレートで偽りのない言葉が他の大人と違い、朝にとって逆に安心感を与えるものだったんでしょうね。
他にも槙生は、朝が今まで見てきた大人たちとは違う大人の姿を見せて来る事に「へんな大人だな」って感じています。
けど、大体にして大人が大人に見せる顔と子供に見せる顔は違いますからね、その表裏が無いとも取れる槙生の行動ですね。
姉との確執
槙生は姉の娘を引き取りはしたけど、根本的に姉の事は嫌いです。
「こんなあたりまえのこともできないの?」
槙生の場合、その言葉が姉に対するトラウマとなっています。
姉の葬式に参加した時にも感情が動かされることが無い所から、憎いとかいうよりも恐怖の対象に近い存在だったのかもしれないです。
また小説家の槙生に対して、
「いつもでも幻想の中にしがみついているんじゃない」
と厳しい言葉も浴びせられます。
槙生にとってはその言葉がいつまでも抜けない呪怨のような言葉になり、朝の些細な一言にも傷つくようになってしまっているんでしょう。
槙生は朝をかわいいと思いながらも、
「愛せるかどうかわからない」
と言ったんでしょうね。
槙生は・・・(大きなネタバレ有)
作者のヤマシタトモコ先生は、発達障害の人を題材に描きたかったんですね。
作者本人がインタビューで答えていたですので間違いなさそうです。
槙生の性格・行動は発達障害の典型的な症状が作中で描かれていて、わかる人が見たらわかると思いますし、今までの行動を思い起こせば納得できます。
朝の「はあ!?」の一言で傷つく場面や、今朝片づけた部屋が夕方には散らかっている事。
人見知りで、人との会話が苦手といった点とかも。
朝が槙生に対して「へんな大人」という印象を抱いたり、今まで見た大人とは全然違うと感じたことは、朝が短い人生の中で経験てきた事のギャップもでもあります。
槙生が発達障害であって他人と違ったとしても、小説家としてある程度の収入があり、部屋も分譲で購入したマンションがあるので、あくまでも人と違うところがある程度。
朝がいままで経験したこととのズレは何度も感じたりするけれど、いのまん的には本来自分と他人は違う存在であるため、無理して理解する必要は無いと思っています。
それ以上に必要なのは相手への思いやりかなって。
朝が槙生のことを理解して、槙生が朝の事を理解していってお互いの関係性や心境がどのように変化していくのかが楽しみです!
「違国日記」~まとめ
この本を読んでて非常に引き込まれたことが、読み進めていった腑に落ちました。
発達障害の事を描いていたんだなって。
槙生は、きっと変わらないと思いますね。
「朝を愛したいけど、愛せるかはわからない」
すごく素直で大好きです。
けどこうゆう事考える人は、やっぱり社会じゃ生きにくいですね。
今後も二人の関係性を追っていきたいと思っています。
では、したっけね。
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