「結末の国のアトー」1巻感想~亡国の贖罪を請け負う少年の物語

KADOKAWA

こんにちわ、歴史と漫画好き。
いのまんです。

今回は「結末の国のアトー」1巻の感想です。

呪術という不思議な力が残る世界。

大戦時に作られた呪術兵器。
その兵器を作った国は滅びてしまったが、たった一人生き残りの少年・アトーが自分の体を犠牲にして兵器解体を行っていくファンタジー漫画となっています。

暗い物語の中で、アトーの明るさや健気さに心が救われる感情を抱かせてくれます!

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「結末の国のアトー」~詳細

作者:土藤山夜

出版社:KADOKAWA

ジャンル:ファンタジー

発行巻数:既刊1巻(2022年11月現在)

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「結末の国のアトー」~あらすじ

戦争で滅んだとある国が残した、災厄召喚兵器。

その呪いの不発遺物を処理するために旅をする、生き残りの少年アトー。

人と出会い、消えゆく故郷の忘れ形見に触れながら、少年はかつての戦争の後始末に臨み…

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身を削る少年・アトー

本作主人公の少年・アトー、年は5~6歳頃。
彼はフクロウみたいな言語を話す鳥・ポコロムと一緒に旅をしています。

純真無垢で明るいアトーですが、彼の生まれた月ノ国は先の大戦によって滅んでしまっています。

家も家族も、そして月ノ国の言葉さえも残っていない。
アトーは滅んだ国
の唯一の生き残りです。

アトーの旅の理由は、亡国・月ノ国が犯した罪の償いです。
月ノ国は30年前の大戦で、大量〇人兵器災厄召喚兵器”特召物”の解体を自分の身を削って行っています。
 
言葉通り、アトーのお腹辺りは真っ黒な空洞になっていて兵器を解体するごとにアトーの身体を削っていっています。

その様相は「見るに堪えない」

兵器を抱き、アトーの身体を削り取るように兵器は解体されていく、そしてアトーの悲痛な叫び。
読者の身も削られるような想いになってしまう。

アトーという少年が、良い子であればあるほどにその痛みが伝わってきていきます。

現状ではアトーに悲しい結末しか見えてきません。

伝統細工に隠された秘密

月ノ国の伝統細工・バンカ。
切った宝石を一定の模様に張り付けて作られ、そのバンカ自体にメッセージが込められています。

そんな伝統細工を逆手にとって兵器は作られます。

呪術によって作られた災厄召喚兵器”特召物”にバンカを施す。
人の心につけ込み、おまじないを施し、人の心につけ込んで発動させるようです。

ただ、実際に発動した描写はないのでどう発動させるかは詳しくはわかりません。
兵器によって効果は様々で、毒であったり、巨大な虚であったり。

ただアトーにとってバンカを施された特召物は、亡き国の唯一残った思い出。
自分の手で自分の国の技術を壊していく喪失感は想像できない思いです。

作者は今は亡き国の伝統と、忌まわしき兵器を組み合わせてどんなメッセージを送っているのかが今後とても気になる次第となっています。

残る戦争の爪痕

この物語を描いた作者・土藤山夜さんは、かなり歴史好きな方と見受けられます。

現実世界でも滅んだ国・滅んだ種族・滅んだ言語というのは数多くあり、失われたロストテクノロジーと呼ばれる技術も多々あります。

ファンタジー作品ですが、現実世界で起こったことを作品の中にかみ砕きながら落とし込んでいるんだなって感じられます。

例えば、災厄召喚兵器”特召物”は現実世界で未だに残っているとされる地雷、また冷戦では使われなかったが各国でも所持されている日本にとって忌まわしき大量〇人兵器を指しているでしょう。

そして戦争によって受けた精神的トラウマは被災者の心を作中で30年経った状態でも蝕み続けています。

また、アメリカの先住民族が海から渡ってきた者たちに土地を奪われて命を奪われたこと、種族も言語も滅んだことはアトーの国が滅んだことにも類似するように感じられました。

痛ましい記憶を呼び起こされる部分もある作品ですが、救いと言っては難ですがアトーの存在が作品の救いになっていると思います。

アトーの国の人たちが作った兵器をアトーが身を削って解体する。
そのつらい出来事を、「こんな子供にさせるなんて」って気持ちを作中のアトーの近しい人たちみんなが持ってくれています。

忌まわしき兵器を作った亡国の少年・アトーに対して、恨みから蔑むのではなく、先の大戦の尻ぬぐいをさせている事を大人たちが自責の念をもって接しています。

軍の呪術隊の特別隊員であるアトー、軍の人たちは心からアトーを可愛がっています。
1巻ではアトーに救いは見えないけれど、どうか作中の大人たち同様にアトーに未来を上げてほしいと願ってしまいます。

読めば読むほどに深いメッセージの込められている本作品、ぜひ読んでみてほしいと思います!

ではでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
したっけね!

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