こんにちわ、歴史と漫画好き。
いのまんです。
今回は、2022年に単行本1巻が発売されて自分的におすすめの作品を紹介していきます。
今年も色々な作品が発売されて楽しませていただきました。
僭越ながらその中でも管理人が読んで面白かった作品、また今後注目した作品を取り上げています!
あかねさす柘榴の都
作者:福浪優子
既刊2巻(2022年11月現在)
南欧・グラナダ空港のロビーにて、14歳の橘 夏樹(たちばな・なつき)は、不安を抱えていた。
身寄りのない彼は、スペイン人の不愛想な叔母・アルバとこれから暮らすのだ。
知らない国で、会ったこともなかった家族との、新しい生活が始まる!
最近多くなってきた異国の地での日常漫画。
北北西に雲と往けや乙嫁語りと言った作品に対して異国観を楽しんでいる人にはぜひおすすめな作品。
絵を見ても本当に知らない土地、TVでしか見た事が無い土地、日常系なので上記の作品よりも自分の知らない土地で生活している気分になれるのがとてもいい!
アビスアジュールの罪人
作者:富明仁
既刊2巻(2022年11月現在)
地表のおよそ70パーセントを覆う海。そこには人間がまだ知らない世界が存在しているーー。
海面から数千メートル潜った、海の底にある国。人魚のジョーはそこで穏やかに暮らしていた。
しかある日、親友のリュウが掟破りの罪で投獄されてしまう。彼女が破ったのは「人間に存在を知られてはいけない」という掟。
なぜ? そして相手の人間とは? 親友を救うべく、ジョーの恋そして冒険が幕を開ける!
現代版人魚姫の物語。
不変の価値観で人間と人魚が関わる美しい恋物語がある反面、人が海洋を自由に公開する事になった事で人魚の生活が激変してしまった事へのアンチテーゼでもあります。
現代の価値観で描かれる人魚たちの物語は、現代社会が如何に動植物たちの環境を奪ってきたかとも考えさせられてしまいます。
まあそんな小難しい事は抜きにして、美麗な絵柄で海洋生物たちを描かれているのを見るだけでも十分に楽しい作品です!
音盤紀行
作者:毛塚 了一郎
既刊1巻(2022年11月現在)
レコードに込められた記憶と想いは時代と国境を越え、受け継がれていく。
祖父の遺したレコードの秘密、禁制のポップ音楽を扱う地下レコード店、近未来のダイナーにおかれた古びたジュークボックス。
レコードに込められた記憶と想いを辿る短篇集。
レコードが主役の漫画!
例えば人気漫画「チ。―地球の運動について―」という物語が人間ではなく”地動説”という仮説を主軸においているのと同じようにこの作品では”レコード”という有形を主軸にしている作品です。
物には魂が宿るというように、レコードにも思い出が詰まっています。
思い出詰まったレコードから流れてくる音楽には一人一人の人生が詰まっているのだと感じさせられる作品でした!
今年のエモい作品NO.1です!
お姉さまと巨人 お嬢さまが異世界転生
作者:Be-con
既刊1巻(2022年11月現在)
お嬢さまと巨人、種族も生まれも違う2人は『大切な人』を捜す――
絆を結ぶ異世界転生ファンタジー、開幕。
本サイトの管理人には珍しい異世界転生作品です。
異世界転生したお嬢様校出身のヒナコと巨人族のエイリスが似た目的のために旅をします
仮想敵は教会、ひねり無しのド定番笑
ただし作中で最も悪だと謳っているのは主人公であるヒナコ自身、彼女の罪は人〇し。
ヒナコの見せる陰はその罪の意識からで冷たい一面も見せますが、助からない人に対して慈悲の心を見せたりもします。
久々に読んだ異世界物で設定を理解するのに一苦労しましたが、今後期待大なダークファンタジーです!
薫る花は凛と咲く
作者:三香見サカ
既刊5巻(2022年11月現在)
“近くて遠い”二人が織りなす、鮮やかな青春彩る学園物語!!
とある場所に、隣接するふたつの高校がある。バカが集まる底辺男子校・千鳥高校と、由緒正しきお嬢様校・桔梗女子。
強面で物静かな千鳥高校2年・紬 凛太郎は、実家のケーキ屋の手伝い中にお客として来ていた少女・和栗薫子と出会う。
薫子との時間を心地よく感じる凛太郎だったが、彼女は徹底して千鳥を嫌う桔梗女子の生徒で……!?
現代に寄り添った誰も傷つけない青春漫画!
「アオのハコ」や「君は放課後インソムニア」のように最近の主流はポジティブな要素が多く含まれる誰も傷つけない青春漫画が主流になっていますね!
自分が好きな青春漫画が増えて嬉しい次第です!
主人公の凛太朗と薫子、周辺の友達、みんないい人達ですが、これから凛太朗や薫子の年になっていく子供を持つ身としては凛太朗の両親の気持ちが痛いほどに伝わってきます!
一度は友人を作るという事を諦めてしまった凛太朗がたくさんの友人を連れて自宅に遊びに来てくれる事!
側で理解してあげる事しかできなかったけど、凛太朗自身の力で乗り越えてくれた事の喜びは、両親がこれまでしてきた何よりも嬉しいはずです!
青春漫画の王道を更に進化させた「薫る花は凛と咲く」という作品、是非読んでほしいと思います!
言葉の獣
作者:鯨庭
既刊1巻(2022年11月現在)
言葉を<獣>の姿で見ることができる共感覚の持ち主・東雲と、詩に強い関心を持つクラスメイト・やっけん。
二人はふとしたきっかけから、東雲の持つ”ある目的”の為に協力し合うことに。
東雲が<生息地>と呼ぶ場所に獣たちは棲んでいるらしい。
言葉の扱われ方によって変化するその場所で、二人は様々な<獣>に出会っていく…。
言葉とは何か、詩とは何か。
今年一番凄い漫画です!
一言で説明すると言葉のファンタジー、今まで見たことが無い”言葉”を具現化した作品です。
言葉って日本語って曖昧ですよね。
人が発する言葉にも様々な意味合いがあったりします。
”怒る”と一口に言っても、”怒””優””哀”色んなニュアンスが含まれているのが言葉というモノです。
そんな”言葉”というモノを動物のような形に具現化することできるのが、東雲という女子高生、”言葉の生息地”という場所に行ける少女です。
誹謗中傷の言葉の獣
詩の言葉の獣
生きるの言葉の獣
天然の詩の獣
自分の発言が時にフワフワしてしまったり、強い口調になってしまった時嫌な気持ちになったりします。
そんな時”言葉の生息地”の獣はどんな姿をしているのか?
抽象的で一つの解が無いのは現代では好まれない風潮かもしれませんが、2022年最も衝撃を受けた作品は「言葉の獣」でした!
こまったやつら
作者:吉川景都
既刊2巻(2022年11月現在)
時は1989年東京――。
ど田舎から都会の大学に進学した桑子順。
他人には見えない不思議なものが見える能力を隠して憧れのキャンパスライフを送ろうとするが、そんな彼が誘いこまれたのは「民俗学研究会」だった!
少し癖のある若者たちが繰り広げる昭和青春群像劇!
民俗学とは、自国民の日常生活文化の歴史を、民間伝承をおもな資料として再構成しようとする学問です。
管理人は小樽のニシン御殿や神居古潭(北海道出身なので)といった歴史ある場所を巡るのが好きなんですがそうゆうこと自体が学問になっているなんて知りませんでした。
主人公の桑子君にはなんか小さな神様が憑りついてて可愛らしい面もある漫画です。
何回読んでもワクワクしながら読める作品です!
シャッター街のさくら姫
作者:宮本 伶美
既刊2巻(2022年11月現在)
僕らの〈復興(せいしゅん)〉はここから始まった!
田舎の学校へ転校してきた高校生・一条の趣味は、誰にも見つからないようにこっそりイラストを描くこと。
……だったのに、クラスの美少女に見つかって、廃れたお店の看板イラストを描くことに!?
地味男子と超ポジティブ女子が織りなす、恋と街おこしのローカル青春物語。
シャッター街の復興漫画!
絵を描くことが好きだけど、バカにされた事で人目に触れずに絵を描いている一条君、そんな彼の元に学校の美少女・咲がお店の看板を書いてほしいと依頼が来ます。
自分のイラストを見せる事ができなかった一条君が、街の復興のために自分のイラストを使って集客していく様子に心温まる。
今では商店街が少なくなって思い出も薄いですが、何となくノスタルジーと心に活気を与えてくれるハルタ作品らしい漫画となっています!
虎は龍をまだ喰べない。
作者:一七八 ハチ
既刊2巻(2022年11月現在)
とある山中、虎が捕らえた獲物……、それは今やその姿を見かけることが殆どなくなった一匹の龍だった。
龍の肉は至極の味、その血は全ての傷を癒やし、心臓を食べれば不老不死となると言われる。
しかし、龍の未成熟な体つきを見て、虎は食べるのをやめてしまう。
龍と虎、獲物と捕食者の関係。
ふたりを繋ぎとめるのは、狩猟本能?
それとも……。
表紙を一見しただけで惹き込まれてしまう華麗な絵、オネショタ物かと悩んだけど内容云々の以前に描きになれば購入して間違いなしの作品かと。
ちなみにこの作品、擬人化作品でもあります。
人の姿で描かれる事もあれば、獣の姿で描かれる事もある。
それなのに自然界の食物連鎖がつぶさに描かれている点が何とも言えない哀愁を感じさせます。
更に種族間を超えた交流のようなものが特徴の一つとなっています。
その中でも架空の生物である”龍”という存在をどう紐解いていくのか?そして”龍”と行動を共にする虎はどう生きていくのかという点に目が離せません。
宝石のヒストリティカ
作者:佐々木 つかさ
既刊1巻(2022年11月現在)
大切なものを宝石に変える謎の宝石商と、彼を取り巻くたくさんの愛と物語。
多種多様な舞台と時代と史人で繰り広げられる、宝石譚の数々をご堪能あれ。
童話や歴史的人物を用いて、人間的価値を宝石に換える宝石商のお話です。
”持ち主にとってどれだけ価値があるか”、宝石というモノ自体が、持った持ち主によって価値が変わるという事を表しているんでしょう。
虚ろ気な雰囲気が宝石というモノの価値を示している様でした。
百木田家の古書暮らし
作者:冬目景
既刊2巻(2022年11月現在)
世界一の古書店街・神田神保町。
祖父の遺した古本屋を引き継ぐため、その街で暮らすことになった百木田三姉妹。
古本の香りに包まれながら三姉妹は色褪せない日常を紡いでいく──。
歴史ある神保町という街並みに、冬目先生のノスタルジー溢れる絵柄がとてもマッチしている、冬目先生らしさ全開の作品。
読み始めれば作品の世界観に没入できるのは作者の力ですね。
内容的には、冬目作品らしい古書店を継いだ三姉妹が三者三様に”恋をこじらせた人たちのこじらせた物語”となっています。
もう少し先が読まないとちゃんとした感想が難しい作品です。
楊家将奇譚
作者:原作・井上実也
作画・有谷実
既刊2巻(2022年11月現在)
戦乱の世を駆け抜ける楊一族との出会いが 鈴の運命を大きく変える。
祖父が亡くなり、都会に引っ越してきた高校三年生の鳥羽鈴。
学校に中々なじめず、一人寂しく帰宅していたところ雷に打たれた彼女は気がつくと燃えさかる炎の中にいた――。
炎の中から鈴を助け出してくれたのは皇帝を守る武将一族の青年、楊四郎。
戦乱の世を駆け抜ける楊一族との出会いが鈴の運命を大きく変える――。
10世紀の北漢、”最強無敵の部隊”として活躍していた楊一族の元に現代の女子高生・鳥羽鈴が時空転移する物語。
女性コミックであるため一見イケメンパラダイス的な(楊家は9兄弟いる)雰囲気になっていますが、日本ではなかなか馴染みの薄い楊家将を題材にしただけでも興味深いです!
基本原作に忠実に物語は進む中で、鈴が関わっていく転移物の王道ではありますが原作者がいるおかげか面白さが安定しているのも魅力。
作画の有谷先生はもっと楊兄弟を描いていきたいという欲望に駆られている様子ですが、それでもテンポ感を考量して自重してくださってます。
中華ファンタジー好きにも、歴史好きにも楽しめる楊家将奇譚、是非おすすめです!
黄泉のツガイ
作者:荒川弘
既刊2巻(2022年11月現在)
山奥の小さな村落で暮らす少年のユルは、野鳥を狩り、大自然の中で静かに暮らしていた。
しかしユルの双子の妹のアサは、何故か村の奥にある牢の中で「おつとめ」を果たしているという。
それはまるで幽閉されているかのように…。
穏やかな村に浮かぶ不自然な謎、この村に隠された秘密とは一体…!?
相変わらず漫画表現が非常に上手で、1巻からとても面白い作品。
表紙に描かれているように和風な世界観の物語となっており、日本の神隠しや異形の者たちの出現を題材として描かれています。
特に題名にも載るほど重要な存在”ツガイ”
化け物、幽霊、UMAと古くから呼ばれる存在であって、2体で対となる存在の様です。
「うしおととら」のような感じの異形の者との相棒物と言った雰囲気を感じさせます。
目新しい何かが出てくるよりも既存の設定を分解して荒川弘風に構築したような(大体の漫画はそうなんですが…)作品となっているが、パクリとかではなく再構築したというのが本当に正しい表現だと思う作品!
夜な夜な夜な
作者:柴田康平
既刊1巻(2022年11月現在)
醜塊なる悪が支配する箱根町。
頼みの正義はすべて腐敗。
今、怪盗がひとり!
夜行怪盗団、それは、悪から盗み戻す、正義の盗賊。警察も、政治家も皆、悪に支配された今、苦しめられる人々を救うため!
怪盗・夜名(よな)は醜塊と戦う決意をする。
もっと話題になってもいい漫画らしい漫画!
腐敗した警察組織に立ち向かう義賊・夜行怪盗団の物語なのだが、とにかく表紙の絵が動き、躍動感溢れるキャラクターがもの凄い!
義賊の存在ってアルセーヌ・ルパン・石川五右衛門・鼠小僧、民衆の心に沸き立つ何かを与えてくれます。
大判コミックでちょっと金額も高いのは難点だけど、この漫画大判コミックじゃないと出せない味わい!
コード・ギアスやルパン3世のような反逆・義賊的な内容の作品が好きな方にぜひおススメしたい作品!
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