こんにちわ、歴史と漫画好き。
いのまんです。
今回は、羅川真理茂先生作「ましろのおと」最終31巻を読んだ感想です。
※ネタバレ含みます
最終巻購入して一読、何度も再読しようと思っていましたが寂しさのあまりもう一回読む気分になれなかったのですが半月経ってようやく読むことができました。
雪と桜ちゃんの関係。
雪が示した、”白”というイメージの自分的解釈を含めて書いていきます!
「ましろのおと」~作品詳細
作者:羅川真理茂
出版社:講談社
ジャンル:仕事・青春・音楽
発行巻数:全31巻(2022年10月現在)
「ましろのおと」~あらすじ
「おめえは、雪になれ」
若菜との共演のため、アメリカに発つことになった雪。
出立前、桜との別れに、伝える思いは…?
青森を飛び出して始まった物語は、ついに異国の大舞台へ。
長き旅の果てに、雪が辿り着く「音」は――。
津軽三味線×青春ストーリー、ここに完結。
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雪は鈍感すぎる!桜ちゃんはやっぱり”母”
読者はみんなやきもきしていた。
雪!鈍感にもほどがあるぞ!ってね。
ユナか、桜か。
ユナの事は好きだけど、触れてはいけない好きなんだというのは大分前からわかっていました。
だから雪はユナの事を”ミューズ”というように答えていたんですよね。
雪にとって、ユナは芸の肥やし。
言い方良くないですね、感性を刺激してくれる女神と言うべきです。
けど桜の存在を見ると、芸の肥やしと呼んでいいと思うんですよね。
雪にとっての”桜”は、松吾郎にとっての”終の棲家”と呼べる場所なので。
帰ってきたいと思える相手であって場所です。
一見読んだときは「雪はひどすぎる」と感じましたが、けど雪にとって一番は三味線だというのは伝えています。
その上で選択するのは桜度という事も。
令和の時代に”待つ女”というのは珍しく感じてしまいましたが、恋愛の形は人それぞれ。
雪の”白”は桜のおにぎりの色でもあります!
塗り重ねた”白”
”雪、白いままでいられるか?”
若菜と雪が演奏中に問いかけていた松吾郎の言葉。
最初”白”の意味が全く分からなかったんです。
雪がどんなに純粋な存在であっても、既に緒方耕助や大河 鉄雄、出会った人々との出来事が雪の音を進化進化させていく。
それって何かしらの色を付けられているのではないかと思っていました。
が、違いました。
どんな色に塗られてもいいんです。
青でも赤でも緑でも黄でも、どんな色に塗られてたとしても、その上から”白”を重ねていける。
松吾郎が”生”という真っ白なキャンパスを用意して、雪は真っ白なキャンパスに絵の具を重ねていく、そして若菜に染まったキャンパスを白くしてもらう。
雪の白は、何もない”白”ではなく積もった”白”。
だから雪の降り積もった場面だったんですね。
三味線という伝統文化。
様々なものと出会い触れ合いながら進化する雪の音は、白い部分は暁によって染められて染められ冬(若菜)と共に白く染まっていく。
若菜と雪が思い描いたのは”松吾郎の音”ではなく、連綿と続く”松吾郎の音”を土台にして自分たちが培ってきた技術・伝統のアップデートでした。
いつでも会いに行ける
STCで不完全燃焼が続いていた雪の元に届いた若菜との共演。
読み続けてきて、読者にとっても待ちに待った瞬間といえるでしょう。
本来6分近くの春暁が、持ち時間3分半に指定された事で雪は焦りました。
自分も、「この最終回でそんな制限を課すのか?」って疑問に思いました。
けど若菜にとっては問題ありませんでしたね。
音の土台は若菜のモノです。
雪が始めに春暁を演奏したのは、前田朱里のお祖母ちゃんに聞かせた”その時弾ける春暁”でした。
そこから経験を重ねて、そぎ落とした音を再構築してSTCで自分の弾きたい”春暁”を演奏しています。
いくらでも”音の形”を変える事は出来るようになっているんですよね。
今できる新たな”春暁”を見る事ができました。
音の根幹がわかれば雪が旅立ちたくなるのも当然と言えます。
雪の演奏が良くなったきっかけって技術面ではなく、感性でしたから。
自分の生まれ育った場所ではない、感性との出会いはそれは刺激となって雪へと還元されていくんでしょう。
その先を作品として知ることは出来なくても、雪のその後を想像するのが楽しくて仕方ないです。
ただ一番初めに想像するのは、桜ちゃんのおにぎりを食べながら
「もっとこまめに連絡くれても良かったじゃないですか?死んじゃったかと思うじゃないですか?!」
って説教している桜ちゃんの姿が思い浮かびますけどね笑
ではでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
したっけね!
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