こんにちは、歴史と漫画好き。いのまんです。
今回はハルタで連載中の「虎は龍をまだ喰べない。」2巻感想です。
1巻の感想でも書きましたが、恐ろしいほどに絵が上手いです。
しかも絵が上手い人にありがちな、ストーリーが面白くないという事もなく読む人を魅了する内容となっています。
自然界の弱肉強食に絶句してしまいました。
「虎は龍をまだ喰べない。」~作品詳細
作者:宮本 伶美
出版社:KADOKAWA
ジャンル:ファンタジー
発行巻数:既刊2巻(2022年10月現在)
「虎は龍をまだ喰べない。」~あらすじ
「君がもっと長く生きられる方法を探そうよ」
とある山中――幼い姿をした龍は、美しき雌虎に捕らえられた。
獲物と捕食者の関係だった二匹は、奇妙な縁から一緒に旅を始める。
千年生きる龍と、20年も生きられない虎。
旅の目的は、寿命の異なる二匹が、ともに生きていく術を見つけること――。
圧倒的な表現力で綴られる、壮大な異類ファンタジー絵巻。
2022年8月の1巻発売後、即重版が決定した話題作!
虎と龍の関係が次第にやわらかく変化していく、転機の第2巻!
「虎は龍をまだ喰べない。」~感想
二匹の名前
明かされていなかった白い虎と龍の名前。
お姉さんに変化する白い虎は”白麗”、子供に変化する龍は”碧翠”。
白麗の名前を呼んだ虎に対して碧翠が嫉妬する場面がありましたが、そうゆう人間っぽい感情を入れてくると思えば、自然界のリアルも組み込んできます。
碧翠と白麗の関係は母と子では無いけど、姉と弟みたいですね。
二匹の関係に恋愛感情みたいな物が生まれるのかはあまり想像つかないのですが、碧翠が甘えている様子は愛情を受けてこなかった子供のように感じます。
龍は自分の子供を食べる。
1巻でそう出てきた事から、碧翠が親の愛情を受けてこなかった事は容易に想像がつきます。
自分よりも後に現れた相手に、先に名前を教えたと知って起こったのは子供の嫉妬を描いてますね。
名前を呼び合う事って自分たちが想うより重要です。
喰うか喰われるか
この漫画は擬人化はするものの自然界の物語。
登場するキャラクターや動物たちが、簡単に捕食者に襲われ喰われるシーンが多々あります。
2巻で初登場した龍・深翠が、碧翠の育ての親と呼べる蛇を冒頭であっさりと食べてしまいます。
親子的な関係性だったり、1巻のあとがき漫画でも登場したりして重要な存在かと思ったらあっさりと喰われてしまうのに、この漫画の自然の摂理的な本質が感じられます。
子ぎつねを襲う豹、豹に我が子を殺された虎、虎は子ぎつねを我が子のように守り通す、虎の気持ちは雌としての母性。
本能です。
僕らは動物たちの言葉を多くは理解できないけど、もし動物たちの言葉が理解できてしまったら食することができるのかと思ってしまいます。
だからこそ、もう一匹の龍・深翠の描写が残酷でした。
蛇をあっさり喰らい、鷲を一飲み。
しかもそのシーンを擬人化した状態で喰らわすなんて。。
食物連鎖の倫理観を動物達だけで描かれる様子は、現代社会で生きている自分たちよりも危険で命が軽いのでしょう。
平和慣れしている自分には刺激の強いシーンです。
だからこそ、動物たちが不死を求める重さも伝わってきます。
龍には毒がある
龍の心臓を食べれば不死となるという噂がありましたが、実際にはどのような因果があるのかはわからないが毒があるとの事。
2巻で登場したサルたちは毒されずに喰う方法を模索していました。
龍の血を飲めば傷が治る描写がある事から、もしかしたら生食だったら毒は回らないかもしれないと考えるといい線いってそうですが、実際は呪いみたいなモノのように感じますね。
碧翠は白麗ともっと長い時を一緒にいたいという想いから不死を探しますが、この物語の結論としては同じ時は生きれないという結末になるでしょう。
自然界のリアルを忖度なく描いているのは、命と時の流れは種族によって違う事も暗示していると言えます。
そうゆう事を考えると、虎と龍の関係性がどのような関係になるのかが楽しみです。
さいごに
もう一匹の龍・深翠はなぜ碧翠を探しているんでしょう。
深翠の残酷描写からも龍という種族を護る気があるようには見えないんですよね。
龍の寿命が長いのは生まれた我が子食べていた事から、つまり龍は生まれた龍を食べた事で延命していた。
そう考えると深翠が碧翠を探す理由は、自分の命を延ばすためかもしれません。
過剰なもう追うかもしれませんけどね。
ではでは、最後までお付き合いいただきありがとうございます。
したっけね。
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