こんにちは、歴史と漫画好き。
いのまんです。
今回は、漫画雑誌ハルタで連載中の「ホテル・メッツァペウラへようこそ」3巻感想です。
偏見によって捉えてしまっているジュンへのイメージを、読者である管理人も違和感を感じながら読み進めています。
ただ本当にこれは偏見で、ジュン本人を見ようとはしていないのだと思い知らされました。
ジュンがあるくフィンランドの”心の旅”に登場人物だけではなく自分自身の価値観も洗い直されていく。
「ホテル・メッツァぺウラへようこそ」~作品詳細
作者:福田 星良
出版社:KADOKAWA
ジャンル:仕事・人情
発行巻数:既刊3巻(2022年10月現在)
「ホテル・メッツァぺウラへようこそ」~あらすじ
小さなホテル”メッツァペウラ”の支配人・アードルフ。
訳ありの青年・ジュンを受け入れてくれた彼もまた孤独を抱え、ホテルに流れ着いた若者だった。
謎多き老紳士の、過去のドラマとは?
フィンランド、ラップランド地方。
雪とオーロラの国の、小さなホテルで繰り広げられる、心温まるヒューマンドラマ。
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刺青への嫌悪感
一巻見た時から思いました。ジュンの刺青に対しての嫌悪感。
自分は臆病な人間で日本人として植えついている刺青に対してのマイナスなイメージが消せないです。
どこかで刺青への事は描かれるのかと思ったけど、今回描かれました。
タトゥーがファッションの国であればいいのでしょうが、日本の感覚を知っている人からは避けられるのは仕方のない事でしょう。
ただここで読んでほしいのは刺青を入れているジュンでは無くて、ジュンという人間そのものですよね。
入れているか入れていないかではなくて、ジュンという人間性が重要なんです。
クリスマスのトラウマの回で、ジュンは悪友に”付き合わされている”様子の描写がされていました。
〇クザの家に拾われただけで、元々のジュンの気質的には程遠い世界です。
裁縫や編み物を嫌がらずにできる事が一縷の優しさを伴っています。
人は生活環境によって形成される立場・人格がありますので、ジュンが日本にいた時の立場・人格は本人の望むところでは無かったように見えます。
父代わりの親分も、その世界には入れようとしていなかったように見えますし。
表に見える顔と、裏で見える顔。
巻を追う毎にジュン本人の本質をもっと理解していきたいと思わされております。
ジュンが歩く心の旅
今回はアードルフさんのホテル従業員時代や軍人時代の上官、シェフ・クスタの過去話。
二人が「ホテル・メッツァペウラ」を経営するまでに歩んできたエピソードがいくつか盛り込まれていましたが、エピソード一つ一つが二人の人としての深みをもたらす重要な話でした。
急に現れたジュンを雇い入れる懐の広さに、警戒心はないのか?素性確認しないのか?犯罪者だったらどうするのか?というような失礼な疑問が浮かんでいたりもしたのですが、彼らが歩んできた道のりや苦労を考えるとジュンを受け入れる事は当然の成り行きみたいなものだったのかもしれません。
軍人生活から一般の生活に戻ったアードルフさん、生真面目な雰囲気というよりも神経質な様子は軍人として務めあげた後遺症のようにも感じます。
きっとホテルの支配人になるまで様々な物を見て感じて、乗り越えてきたのでしょう。
ジュンが抱える悩みやトラウマを受け止めて、導いてくれる優しい灯台のようなお二人です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
したっけね!
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