こんにちわ、歴史と漫画好き。
いのまんです。
今回は、マガポケで連載中の「薫る花は凛と咲く」2巻を読んだ感想です。
凛太郎・薫子のみでなく、薫子の親友・保科昴、凛太朗の同級生・朔も含めて素晴らしい心理描写です!
今までの漫画なら、きっと否定していた、または肯定していたという場面も、相手と対話をすることによってより良い結果を生み出そうとしている点がこの作品の魅力なんです。
1巻感想では、王道中の王道と言いましたが、2巻を読んで王道への挑戦を感じられる作品なんだと思いました!
これはもっと読まれてほしい漫画です!
「薫る花は凛と咲く」~作品詳細
作者:三香見サカ
出版社:講談社
ジャンル:青春
発行巻数:既刊2巻(2022年7月現在)
「薫る花は凛と咲く」~あらすじ
とある場所に、隣接するふたつの高校がある。
バカが集まる底辺男子校・千鳥高校と、由緒正しきお嬢様校・桔梗女子。そこに通う紬 凛太郎と、和栗薫子が出会い…。
“近くて遠い”二人が織りなす、鮮やかな青春彩る学園物語!!
距離が縮まる二人の関係とは裏腹に、隣接する二校の溝は未だ深いまま。
そしてある日、徹底して千鳥を嫌う薫子の友人・保科 昴が凛太郎を呼び止め……!?
「薫る花は凛と咲く」~感想
王道を超える王道を作り上げた!
絵もさることながらなんですが、セリフのタイミングが絶妙に気持ちがいいですね!
しかも日本語の使い方が巧みで男女といった異性間の話ではなく、人と人の関わりをしっかりと描けているのが凄いです。
薫子の幼馴染で親友の昴が凛太朗に「薫子に、もう会わないで欲しい」とお願いする場面があります。
これまでの少年・少女漫画の展開の場合は、それを受け入れて一歩引くといったシーンとなるのが王道でした。
しかし、凛太朗は昴のお願いに対して「ごめん、できない」と断っています。
この展開は王道を壊しに来たのではなくて、読者として毎回疑問に思っていた「独りよがりの自己満足」という展開からの脱却だといえます。
○○の為に身を引いてくれ!という展開って珍しくないですよね。
有名なシーンだと”天空の城ラピュタ”でムスカがパズーに金貨を渡した所ですね。
バトル漫画や冒険活劇だったら、ここで一旦諦めて再出発でも盛り上がるからいいんです。
けどリアリティのある作品でこんな事しても、「一歩引いて、彼女を見守るオレカッケー」と言った自己満足に過ぎないんだという事に気が付いてほしい!
って常々思っていたんです。
それを三香見先生は払拭して、新たな王道を作り上げたといえます!
凛太朗の優しさは心に染みる
今まで、キャラの”芯”を通すために個人で判断して、個人で解決するのが好まれていました。
時代が求める人物像がそうでした。
個人として強い人が崇められる。
けど現在は、個人が個人でのみ判断するのではなく他人とのコミュニケーションを通して物事を解決していこう!という時代になっていると思います。
凛太朗というキャラは時代を反映したキャラなんでしょう!
「独りよがりではない」
昴のお願いを断ったとしても、凛太郎は薫子に気軽に会おうとはしてないです。
昴が懸念する薫子の立場をわかっているからですね。
「和栗さんは
いい人で
努力家で
芯が強くて
すごく尊敬ができる人だ
でも・・・もうそれだけじゃ言い表せなくなっている気がする」
知り合いが友人に、友人が気になる人に。
段階を経て静かに感情は動いています。
表情の一つをとっても読んでて気持ちがいいです。
決して無理に物事を通すのではなくて、
”どうやったら安全に薫子と会えるか?”
昴と相談して決めようとしています。
凛太郎は、昴の薫子に対する想いを真摯に受け止めて尊敬してると言います。
尊敬という言葉が他にも薫子が昴に言ったり逆に昴が薫子に言ったりと複数回出てきますが、尊敬って言葉がこんなにも美しいとは思いませんでした。
また薫子の手紙を宇佐美や朔に見られて、「桔梗の生徒じゃないの?」と問いただされたが、「言いたくない」とはっきり告げてます。
ここで薫子のことをばらしてしまうと、薫子にも被害が及ぶかもしれないからですね。
今まで、対話するのを諦めて「何でもない」と答えていた凛太朗。
薫子の事を考慮して「言いたくない」と言った凛太朗のセリフの言葉選びが巧みですね。
凛太朗は、相手の事を想いながら誰も傷つかないようにしたい優しさがとても素晴らしいです。
薫子を想う
薫子の親友・保科昴。
172㎝の高身長・銀髪ロングで一見ヤンキーっぽいですが、中身は気弱な女の子です。
凛太郎に話があると言います。
以前突っかかった事もあるけど、凛太郎個人を毛嫌いしているわけでも無いです。
桔梗と千鳥の仲の悪さは何かあるな、とは予想してましたがまさか生徒よりも教師の方が根強く嫌っているとは。。。
薫子が苦労して入った桔梗。
特待生で入った薫子がこれ以上立場が悪くならないように、ずっと神経注いできたんです。
昴はそんなに気持ちの強い子では無いけど、尊敬して大好きな薫子の為に行動していました。
凛太朗にお願いしたのはその為です。
やっと平和になった薫子の桔梗女子での生活を乱さないようにしてほしい。
「自分は嫌われてもいいから」
凛太朗は優しいと書きましたが、この作品の登場人物はみんな優しいです。
昴の泣き顔にグッときました。
最後に
めっちゃハマってます。
久々に3回以上読み返した作品ですね!
いつもは単行本ゆっくり待つタイプですが、週刊連載がこんなにありがたいと思った事は久々です!
ではでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
したっけね!
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