こんにちわ、歴史と漫画好き。
いのまんです。
今回は、アニメ化計画も進行中の「鬼人幻燈抄」シリーズの読む順番についての解説です。
長く続いているシリーズだけあって現在でもソフトカバーで10冊発行されております。
長く続くとどこから購入していいかわからなくなるのと、手が出しにくくなるのが難点ですよね。
けっこう長いページ試し読み出来たり、小説からはハードルが高いと思う方は漫画もありますので悩まれている方は是非自分に合った方法で作品に増えてほしいと思います!
鬼となった主人公の復讐劇、そして江戸~平成までの長い時をドラマチックに描いている本作。
「鬼滅の刃」に似ているとの声も聞こえますが、時系列的には「鬼人幻燈抄」が先なので穿った見方はしないでくださいね!
「鬼人幻燈抄」とはどんなストーリー?
「小説家になろう」から製本されて出版された作品でいわゆるなろう系小説ですが、なろう系には珍しく和風ファンタジー作品で、文章や話し言葉に関しては違和感があったり稚拙な点もあるのですが、時代背景や文化に関してはしっかりとした注釈を入れて時代劇としてもしっかり成り立っています。
江戸時代、山間の集落葛野に「いつきひめ」と呼ばれる巫女・白雪。
よそ者ながら巫女の護衛役を務める幼馴染の青年・甚太。
赤い片目を包帯で隠した成長しない甚太の妹・鈴音。
二人の鬼の登場によって、白雪は亡くなり、甚太と鈴音は鬼となる。
刀を振るう意味を問い続けながら江戸から平成へと、途方もない時間を旅する鬼人を描いた物語。
時代の変換を生きる鬼・甚夜の人間ドラマがとてもリアリティがあり、あまり使いたい言葉ではないが一言「泣ける小説」となっています!
鬼人幻燈抄シリーズ~2022年7月現在
1.鬼人幻燈抄 葛野編 水泡の日々
全ての始まりとなる葛野編。
言葉通り物語の冒頭、主人公・甚夜が鬼へと変貌した理由、そして鬼として長い時を生きる始まりとなる巻です。
誰を愛して、何を憎んだのか?
愛する想いが強ければ強いほど、憎んでしまう想いも強くなってしまう。
「水泡の日々」は「鬼人幻燈抄」シリーズの始まり、重大な要素がこれでもかと詰まっています。
コミカライズ版もありますので、お手軽に読みたい人はこちらをどうぞ!
2.鬼人幻燈抄 江戸編 幸福の庭
鬼となった甚夜は江戸に移り住む。
実の父親・重蔵との再会、そして重蔵から義娘・奈津の護衛の依頼。
彼女の前に現れた鬼の正体は?
そして行きつけの蕎麦屋・嘉兵衛の主人とその娘・おふうの持つ縁。
「幸福の庭」は江戸・幕末編で関わる人物たちとの出会いの巻。
彼らの人となりや生い立ちが物語に深みを作っていきます!
3.鬼人幻燈抄 江戸編 残雪酔夢
江戸で流行りのお酒”ゆきのなごり”、初めは辛くて飲めたものではないが飲み慣れていくと極上の味へと変化していく不思議なお酒。
そんな不思議なお酒”ゆきのなごり”には悲しい秘密が潜んでいます。
「残雪酔夢」を読んで気がつきます。
”この物語はただの和風ファンタジーでは無いという事”
甚夜の気持ちは憎愛の想いだという事に。
4.鬼人幻燈抄 幕末編 天邪鬼の理
時は動き幕末へと移ります。
いずれ描かれるであろう、人間と鬼の生きる時の長さが描かれます。
「長い時でも大切に生きてほしい」
幸福だと思える時間があったにも関わらず、憎しみという感情の中で生きていた甚夜は素直に受け入れる事が出来ずにいました。
自分の事を鬼だと知っていたその人は、それでも少しづつ幸福を受け入れていく甚夜を微笑ましく見ていましたね。
人である親と鬼である子の物語に涙が止まらなくなります。
5.鬼人幻燈抄 明治編 徒花
明治へと移る。
甚夜は人から鬼となってしまった夕月の娘・野茉莉を引き取り、京都で蕎麦屋を営んでいます。
廃刀令が布かれると、甚夜は娘・野茉莉の為にあっさりと刀を下ろしました。
時代の変化と共に移り変わる生活環境。
そして、江戸から続く古き友の存在に変化がありました。
ファンタジー作品だが、現実にあったであろう物語につらい思いが込み上げてきます。
6.鬼人幻燈抄 明治編 夏宵蜃気楼
夏宵蜃気楼編は兎にも角にも親娘の話。
甚夜の見た目は18歳頃の見た目から変化はしない、しかし刻一刻と成長していく野茉莉。
物心つく前から甚夜に育てられていた野茉莉に取って甚夜は紛れもない実の父親。
けど親子でいたい、親子でいてほしいと願いながらも時の流れが許さない。
親子としての時間が残り少ないが、娘として妹として姉として母として成長していく野茉莉に馳せる想いが止まらない!
7.鬼人幻燈抄 明治編 君を想う
ブログタイトルにもあるように、こんな結末だとわかっていたら読まなきゃよかった。
いや、むしろもう一度記憶を消して読み直したい!と思える巻。
マガツメと呼ばれる存在となった妹・鈴音。
マガツメが甚夜に施した仕打ち。
ここでネタバレは絶対にできないです!
書いてる今でも泣きそうなのだから!
8.鬼人幻燈抄 大正編 紫陽花の日々
時代が大正時代に入りました。
近代へと近づいています。
明治編での甚夜の最後は、心神喪失・再起不能になってもおかしく無いような出来事だったのに、普通に人の世の中に溶け込んでいる様子に安心します。
怪異の存在が薄くなり、人が怪異を作りだす時代に変貌していきます。
いつの世も人の欲望は変わらないものです。
9.鬼人幻燈抄 大正編 終焉の夜
時を経た鬼が得る異能の力、それが甚夜にも芽生えます。
異能の力は”願いから生まれる力”なんです。
そんな甚夜に芽生えた能力、女々しいんです。
けど、そんな弱さを併せ持ちながら力を求めるアンバランスさがとても魅力的です。
10.鬼人幻燈抄 大正編 夏雲の唄
”甚夜は野茉莉を離れてどんな気持ちで生活してきたのか”
ただこの一点に尽きる!
夏雲の唄はシリーズでも最も人気のある話です。
少しもネタバレしたくない巻です。
そして第一巻に隠された真実が明かされた巻でもあります。
中西モトオ先生の構成が恐ろしい程に光る第10巻です。
最後に
中西先生は、時代考証もしっかり勉強されて作品に落とし込んでおり、ファンタジーの中にも真実を盛り込んできます。
まるで本当に甚夜のような存在がいたと錯覚してしまう気持ちになってしまいます。
シリーズが長引けば中だるみのような物も発生してくる事もあるのですが、「鬼人幻燈抄」は物語が進むにつれてキャラ同士の結びつきが強くなり内容が濃くなっていく作品です!
今からでも全然大丈夫!
是非読んでもらいたい作品です!よろしくお願いします!
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