こんにちわ、歴史と漫画好き。
いのまんです。
今回は、羅川真理茂先生作のテニス漫画「しゃにむにGO」の感想・思い出話です!
「しゃにむにGO」とは
タイトルの”しゃにむに”漢字にすると
”遮二無二”
一つのことだけに集中して,勢い込んで向こうみずに行うさま。
タイトル付けの時点で”しゃにむに”という言葉は現代に馴染まないから変更を編集部から促されていたようですが、変更しなくて良かったですね!
覚えやすくてインパクト大ですもん!
「しゃにむにGO」はW主人公である伊出延久と滝田留宇衣(ルーイ)が幕ノ鎌高校を舞台にIH優勝を目指していくテニス漫画。
少年漫画にありがちなテニスをして必殺技や戦術・技術を勝敗に競い合うというより、スポーツを通じて心の成長を描いて勝敗に繋げていくスポーツ漫画です。
羅川先生らしい心理描写の中をテニス漫画にした作品です。
スポーツ=根性から、スポーツ=メンタルコントロールに時代が変化を先取りしたとしか思えない作品です。
男性諸君、1年生編の少女漫画っぽさが色濃く残るところで断念するのは辞めておけ!
池田コーチ登場から2年生編に入ればあなたは少女漫画を読んでいる事を忘れてしまうはず!
是非、羅川真理茂作テニス漫画に触れて燃え上がるような熱量を感じていただきたい!
「しゃにむにGO」のW主人公
伊出延久
中学陸上で短距離・長距離で優勝を重ねるスポーツ万能少年。
明るく無邪気な性格は子供っぽくもあるが、それ以上に周囲に好影響を与える太陽のような存在!
テニスは初心者でも伊出の成長に興奮を隠せない!
滝田留宇衣
中学までジュニアプレーヤーとして活躍してたが毎回ライバル・佐世古駿に優勝を阻まれて準優勝という成績だった。
父からジュニアとしての活動を辞めさせられるも、目標であるプロ選手になる為にIH優勝をしてもう一度プロへの道を切り開く!
もう一度、テニスの楽しさを取り戻すためのルーイの心境変化に目が離せない!
他にもヒロイン尚田ひなこ・最大のライバル・佐世古駿・池田敦士コーチ始めとしたさまざまなキャラたちが抱える葛藤に共感しか禁じえません!
管理人と「しゃにむにGO」
私が「しゃにむにGO」を買い始めたのは高校時代から。
この頃の私の本棚は、「彼氏彼女の事情」「赤ちゃんと僕」「神風怪盗ジャンヌ」「フルーツバスケット」「H2」「タッチ」「他あだち充作品」と少女漫画が約半数の本棚。。
友人には好きな漫画の話をする時はあだち充だと答えていましたが、実は少女漫画が大好きなのをなんとかバレずに情報収集をするオタクでした笑
男子高校生が少女コミックコーナーに立ち入るハードルを乗り越えながら、気が付いたのがこの作品「しゃにむにGO」
「赤僕」の先生だ!と思い、迷いなく手に取り購入させていただきました。
先日一巻から読み直すと数度の引っ越しと幾度とない拝読、また保存時の日焼けで一桁台の巻数はボロボロとなっておりました。
新装版を購入しようか悩みどころ…
「しゃにむにGO」は孤独との戦いを描いている!
いきなり重い表題となっているが、しゃにむにGOの登場人物たちが何かしらの孤独と戦っています。
最たる例が主人公の一人・ルーイでしょう。
ライバル・佐世古駿にある時期から勝てなくなり、コートに立てば度々集中力を失い自滅を繰り返していき、父親からは突き放されてしまう。
「砂漠だ、凍える夜の砂漠のようだ」
「先生、いつものようにどこが悪かったか言って下さい」
ルーイは感情を表に出しません。
そんなルーイの心境を後に救い出してくれる池田コーチも気が付くことが出来ませんでした。
そんなルーイが唯一最初から最後まで集中力を切らさずに試合を出来る相手がチームメイトでダブルスパートナーの伊出延久!
一時期から勝敗に執着できなくなったルーイが、絶対に負けたくないと心の底から思える相手で何度も嫉妬をして何度も救われてきた。
壁を乗り越えたのはルーイの力だけど、コートの孤独から救ってくれたのは伊出延久です。
一人の力では成し遂げない、チームメイトを始めて信じることによって自分のメンタルを作り上げた過程がとても神々しいのです!
また、ライバル佐世古駿も孤独を抱える一人です。
彼は母親の呪縛、そしてそれに伴う人間関係といった所。
完璧に見える俊でも、心の壁にぶつかっていく。
能力はあるのに大成できなかったプロスポーツ選手を大勢いたけど、俊が抱えている悩みは似たような雰囲気を彷彿させる。
羅川先生のこうゆう話作りがとても引き込まれる。
テニスは個人競技だから競技中の孤独感を引き立たせるのに扱いやすい競技だったのでしょう。
ただいくら個人競技でも支えてくれる家族・チーム・パートナーがいるから、プレーができるんです。
そうゆう人間ドラマの描き方が流石の羅川真理茂先生です!
息をのむ人間ドラマ
「しゃにむにGO」はけがを負った者、病気となった者が度々登場する。
それがヒロイン・尚田ひなこと池田敦士コーチである。
ひなこは交通事故にあいウイルス感染したことによっての右足が動かなくなる障害を負う。
池田コーチは目の病気によってプロになるのを断念する。
登場人物の過去編はシリアスになる物だが池田コーチの過去に関しては性格も変えるほどのヘビーな出来事だった事を描かれています。
過去編は、過去の出来事で変える事のできない決定した出来事。
ですがひなこは現在進行形で葛藤しているんです!
足の怪我でテニスができなくなり、皆のプレーに嫉妬してしまう、それでもテニスが好きだという気持ちが抑えられない場面が描かれます。
きっと読み始めた時にひなこに感じる感情は”同情”だと思う。
しかし、物語終盤になると読者の気持ちが純粋に”応援”に変わっていくと思う。
「私にあなたの才能を委ねないで」
ただ守られるだけの女の子は羅川作品には登場しません!
本格テニス漫画!
もちろん、テニス漫画なんだから試合描写も面白い!熱いです!
超人的なスピードとスタミナを持つ伊出に、スライスとボレーが得意なルーイ、強烈なフォアハンドを持つ佐世古、ヤンチャなカウンターパンチャー高津、スピン系が得意な雷殿静。
多くの試合があるのだが、その中でもルーイが関東大会で佐世古駿と対戦した試合が印象深い!
1年以上ぶりの佐世古との対戦で中々モチベーションが上がらない中、父の存在を目にしてコンセントレーションを高めていく、、、しかし試合は呆気なく終了してしまう。
5巻くらいだったはずだが、きっとこの試合を読んで読者は思ったのではないか「本格テニス漫画だ」と。
登場プレーヤー一人一人が様々なモチベーションを持っていて、自分の悩みや壁を破っていく。
数多くの試合が興奮の渦に巻き込んでいく事間違いなし!
作品を彩る女性キャラ
少女漫画なんだから恋愛は無いの?って聞かれたら、もちろんあります!って答えます。
伊出の延っちなんて第1話から恋してますからね!
ただね、恋愛面は影が薄い。
ルーイ追っかけの本条魔子も登場頻度は意外と多いのに、ルーイとの伸展はしないですし。
恋とは無関係ですが、テニス編集者の藤田ひろ子。
ミーハー感覚で佐世古駿を追いかけて発行部数をあげる棚ぼた強運の持ち主だが、何故か彼女最初期から最終回まで登場している。
本気でまさかでした笑
羅川先生が初めから藤田ひろ子に最終回のタスクを握らせる予定だったのだとしたら、羅川先生恐るべしです!
最後に
ここで伝えられた面白さはたった2割!
孤独との戦いなんてめんどくさい事書いたけど、本編はもっと面白くてもっとエキサイティングでスリリング!!
読んだ事無い人も、一度しか読んだこと無い人も、今手元に無くて読めない人も是非是非読んでもらいたい作品となっています!
ではでは、最後までお読みいただきありがとうございました。したっけね!
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