こんにちわ、歴史と漫画好き。
いのまんです。
今回は小梅けいと先生作画「戦争は女の顔をしていない」の感想です。
この作品は女性の戦争体験者へのインタビューを小説化して、更にコミカライズ化した作品です。
ソ連に女性兵がいた事は知ってはいました。
ただ”知っていた”程度の知識で、女性兵は漫画の中の空想事だと思ってしまっていました。
この漫画を読むと、自分の想像力の欠如が浮き彫りになって恥ずかしくなりましたね。
女性が戦争に行くという事は、戦層が終わってから女性としての尊厳を奪われる可能性がある事を考えられませんでした。
面白いとは言えないです、ただただ読み進めるべき本だと思いました。
ぜひ、読んでいない人には手に取って読んでもらいたいなと思います。
「戦争は女の顔をしていない」~作品詳細
作者:原作・スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ
作画・小梅けいと
出版社:KADOKAWA
ジャンル:戦争ドキュメンタリー
発行巻数:既刊2巻(2021年12月現在)
「戦争は女の顔をしていない」~あらすじ
ソ連では第二次世界大戦で100万人をこえる女性が従軍し、看護婦や軍医としてのみならず兵士として武器を手にして戦った。
しかし戦後は世間から白い目で見られ、みずからの戦争体験をひた隠しにしなければならなかった――。
500人以上の従軍女性から聞き取りをおこない戦争の真実を明らかにした、ドキュメンタリー小説のコミカライズ。
「戦争は女の顔をしていない」~感想
「戦争は女の顔をしていない」の小説と漫画が話題になったのは知っていたのですが、手に取る機会がなくてこの度ようやく漫画版読みました。
戦争は男が起こすもので、女性は被害者となってしまうのはどの国でもどの時代でも一緒です。
しかし、この作品は第2次世界大戦時でのソ連軍で軍に所属していた女性たちの事をインタビュー・ドキュメンタリー風にした作品です。
1話1話がオムニバス形式になっているのですが、1話の重みが他の作品よりも群を抜いて重厚なんです。
「~だった」
「~でした」
もちろん、歴史の中の事実を述べられているので過去形が使われますがそれが異常に生々しいんです。
物語に登場してくる女性たちは未だにその光景が鮮明にを記憶されているのが感じとれます。
やはり、生死がかかった状況下の記憶はそれだけ脳裏に打ち付けられるものなんですね。
漫画としての表現に鳥肌が立った
その内容を漫画にして戦場にいるかのような描写が描ける作画の小梅先生も素晴らしいと思います。
何よりもナレーションの配置とコマ割りが絶妙に配置されており、物語の進行を妨げることなく流れていく構成が没入感が増して凄かったです。
夫は兵隊、妻は看護師として戦争に参加した夫婦。
夫の帰りを営舎で待つ妻。
たった2日帰ってこないだけでも眠ることが出来ずに夫が帰ってきたことに涙を流すほどに安堵します。
しかし、進軍先で夫は戦死します。
子供もいない、写真も無い、一緒にいた形跡は何も残っていません。
戦死した夫を弔いたい妻ですが、戦時に置いてそんな特別措置は許されません。
妻は様々な人に弔わせてほしいと進言しては追い返されて最終的に最前線軍の元帥と面会が叶います。
何度も否定された彼女でしたが
「同志元帥!あなたは恋をした事がおありですか?」
「私は夫を葬るのではありません」
「恋を葬るのです」
私がここに響いたのは、私が男だからでしょうか?
最前線で戦い続けた彼女たちの悲痛な叫びが文字から耳に届いたかのように感じました。
日本でも女性兵が生まれる可能性はあった
女性がここまで戦争に関わるのは過去の戦争でも例のない状況です。
その理由ってきっとソ連が防衛戦争だった事が原因ですよね。
第2次世界大戦時の戦争は、兵士が戦う戦争から国を挙げて戦う総力戦へと形を変えていました。
工場は武器を作り、鍋や鍬も武器へと変わり、食料は全体統括の配給制へと変わって、全国民が否応なく戦争へと関わらざる負えなくなったのが第2次世界大戦の戦争です。
日本では確かに女性の従軍は無かったですが、よく考えてください。
日本唯一の地上戦の舞台、沖縄。
この戦場でも女性学徒隊が衛生兵として参戦しています。
そして、竹やりや手榴弾をを持ちアメリカ兵に突撃したとされています。
こうして防衛戦争には女性が投入されてしまうんです。
現代を生きる自分たちの感覚では、
「お国の為に命を投げ出してでも戦う」
という考えは持てないですが、この時代の教育から男女変わらない愛国心を持っていたと考えられますよね。
もし日本も本土決戦という流れになった場合は、女性兵士がもっとたくさん投入されていたのかなと思ってしまいました。
最後に
今回は漫画版を購入して読みました。
小説版は、本当にインタビューした内容を載せているそうなのでもっとリアルな声が載せられているようです。
漫画版でもページを捲る手が重くなっていったのに、小説版はさらに重くなりそう。
自分の感想はあくまでも「戦争は男がしていた」という男目線の感想だと思います。
女性の方が読んだ感想はどのような感想を抱かれるのかなと感じましたね。
ではでは、最後までお読みいただきありがとうございます。したっけね
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