こんにちわ、羅川真理茂ファン歴25年。
いのまんです。
今回は、羅川真理茂先生の「ましろのおと」22巻の感想を書いていきます。
表紙は桜ちゃん、ちょっと大人っぽいですね。いいですね。
※最後にポイントを箇条書きしています。お急ぎの方はそちらをどうぞ。
「ましろのおと」~作品詳細
作者:羅川真理茂
出版社:講談社
ジャンル:仕事・青春・音楽
前巻あらすじ
3月を迎えて、舞が東京に上京してきてようやく4人で活動することとなったSTC。
しかし、若菜と同日発売のデビューアルバムは4万枚発売したにも関わらず販売実績は5,600枚と厳しい現実が待っていた。
しかし、雪が外国人観光客の前で演奏した効果なのか配信では好調に売上は推移している。
一方、若菜は”春暁”問題に心の整理がつかずに梅子の元から逃亡を図ったが、民謡歌手の壬生悠理への伴奏をきっかけに何か取り戻す。
雪と”春暁”についての解釈を話していくうちに、二人は心の中で一緒に演奏することを望んでいた。
”春暁”問題、STCとしての活動に希望が見えた矢先に、たぬきち食堂の親父さんが倒れてしまう。
桜ちゃんの父親が脳梗塞に
桜ちゃんのお父さん、たぬきち食堂の親父さんが脳梗塞で救急車で運ばれてしまいます。
その事を、雪はライブ後に教えられますが舞はその場にずっといたが、救急車にも乗れず病院に行っても状況を教えられないままでライブに望んでいました。
状況を知っていてもつらいし、知らなくてもつらいものです。
雪が中学生の頃に松吾郎が癌で倒れたけれど、その時も何もできずにいた事を思い出してしまいます。
翌日に病院に行くと桜ちゃんは笑顔で迎えてくれます。
長野の叔母に連絡を取ってきてくれる事になったので一安心との事。
何かしてほしい事は無いかと聞く雪ですが、桜ちゃんは何も思い浮かばないと言います。
こうゆう状況になった時の他人は本当に手持ち無沙汰な気分になります。
結局桜ちゃんは叔母の所へ居候することになり長野に行ってしまいました。
親父さんは左半身がマヒしていますが命に別状はなく、桜を呼び戻そうとリハビリに励んでいます。
桜ちゃんは4歳の時に母親を亡くしているようで、食堂で手伝っている姿や雪にお弁当を作る様子からもしっかり者のイメージがありますが、その反面中々の甘え下手というか他人に頼るという事をしない子です。
羅川先生が描く女性キャラは、芯の強さが魅力的な子が多いんですが桜ちゃんもその一人ですね。
上手くいかないSTC
アルバムのデジタル配信が順調に売り上げを伸ばして、上昇気流に乗ったように見えたSTCだが、噂になっていた映画主題歌の件が白紙になってしまいます。
プロディーサーが変わり、人気のアーティストを使用するという事務所の圧力を感じる出来事。
以前、「竹の華」の沙上麻仁さんが壬生悠理にばかり仕事が回っていることに事務所の力を疑っていましたが、今回の一件は事務所の力が完全に無かったと言わざる負えない事柄でしょう。
雪としては以前からライブハウスとは客層が違う事を指摘しており、ジャズクラブのジャンルフリー版のようなことが出来ないかと考えていました。
イメージ的には、ふらりと入ると店内では音楽を演奏していてお酒や食事をとりながら鑑賞できる、気に入らなければすぐに出て行けるというような感じ。
その事を金城さんが宮本さんに伝えると面白いと思い、いつもの調子で上司に話して、責任は取るつもりは無いが取ると言って上司から予算確保しようとします。
宮本さんが新たな仕事のキーマンになっていて面白いキャラになっています。
桜に会いに長野に行く
雪が留守中に何度か桜の同級生・鳴宮君が訪ねてきていました。
鳴海は雪に「大人なのに大人なのになんで桜をたすけないのか?!」と言います。
働いているとはいえ雪もまだ18歳、メンタル面も最近やっと大人になってきたかなという状況で、いきなりこんな事を言われれば我慢せずに反論もしてしまうでしょう。
結局、鳴宮と共に桜がいる長野の叔母の家に向かいます。
そこで会った桜はやっぱり笑っていました。
桜は雪に何も話しません。
むしろ、雪の近況ばかりを聞いてきます。
描写は無いですが、桜が雪に好意がある事が伝わってきますね。
相手に自分の事を知ってもらうよりも、好きな人の状況を知りたいと思っているからこそ質問ばかりをしています。
当たり前ですが、雪はその事には気が付きません。
むしろ、鳴宮には自分の事を話している事に嫉妬しています。雪もまだ子供なんです。
桜本人は心配しないでほしいと思っているが、「心配しないで」という言葉って「自分の事は構わないで」って蚊帳の外に置かれているように感じたりすることがありますよね。
雪は松吾郎が癌で倒れた時に、松吾郎と若菜に似たようなことを言われた事を思い出してネガティブになっています。
雪に何が足りなかったか?
自己発信が無い!です。
雪は桜ちゃんに親父さんは元気だよ、リハビリを頑張っていると、桜が口に出せない一番の心配事を口にしてあげます。
桜から「父親は元気ですか?」とは聞けません。
もし、元気じゃなかった場合は雪がどんなに話しづらいか、優しい桜ちゃんならわかっている事ですから、聞けません。
雪がその事を伝えて「三味線を聞いてほしくて来た」と言います。
そう伝えると今までずっと笑っていた桜は初めて父親の事で泣き出します、そして雪の三味線が聞きたいと言いました。
二人の関係性が何か変わったように感じる22巻です。
最後に
雪は”春暁”を弾けると思っていたが、若菜の松吾郎への尊敬の念との差に若菜との距離を感じてしまいます。
22巻はシリアスな場面が続きますが、桜ちゃんと雪のエピソードに期待感が高まりますね。
ではでは、最後までお読みいただきありがとうございました。したっけね!
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