こんにちわ、羅川真理茂ファン歴25年。
いのまんです。
今回は、羅川真理茂先生の「ましろのおと」20巻の感想を書いていきます。
表紙は雪と舞の2ショット!
舞がどんどん魅力的になっていきますね!
※最後にポイントを箇条書きしています。お急ぎの方はそちらをどうぞ。
「ましろのおと」~作品詳細
作者:羅川真理茂
出版社:講談社
ジャンル:仕事・青春・音楽
前巻あらすじ
ピンガジェライブで手ごたえを感じ、音の成長に勢いを感じながら福岡にライブ拠点を移したSTC。
その地で雪はユナと再び会うが、雪はユナをインスピレーションを与えてくれるミューズのような存在で触れてはいけないと感じていた。
一方、ユナはファン一号として一生ときめいていたいと言います。
二人の関係は、友達以上恋人未満というつかず離れずの関係に。
そして舞が待つ青森へとライブ地を移します。
雪以外は田沼家に行き、神木流絃より指導してもらい、雪は実家に帰り金城にSTCは通過点で祖父・松悟郎のような一生をかけて作る即興曲を作りたいことを伝えます。
そして神木流絃がSTCの前座に登壇、そこでなぜか松悟郎のじょんがら節を披露する。
松悟郎の音の進化
STCライブの前に神木流絃・舞の父親が前座として弾いてくれることとなります。
地元・青森では神木流絃の名は絶対的のものの様で、登壇するだけで恐ろしほどに空気を変えます。
弾いたのは”じょんがら節”を一曲だけですが、なぜか松吾郎を彷彿させるようなじょんがら節を弾きます。
そして、更に神木流絃の”じょんがら節も披露します。
明らかに雪に向けて、音の挑戦状のようなものを投げつけたと言えます。
神木流の師範が、どの流派にも属さない一奏者の真似をするというのは、はっぱをかけたとしか考えられないですね。
ものすごい演奏の後に登場するSTCメンバー、というより前座の域を超えた方の演奏の後はやりにくいと思いますが、ここまでツアーで鍛え上げた音に舞が加わった事で3人の迫力から4人の迫力となっています。
そして、”じょんがら節”4本の太棹を活かした迫力のある演奏に、雪は突然松吾郎の音を入れます。
しかし、これは松吾郎の音というだけではなく雪+松吾郎+STCの音を融合させて進化させた音といえました。
雪は流絃に、音の可能性と次世代の音を見せつけます。
雪の音もSTCとして音もしっかりと成長していると言えますね!
春暁の取り扱い
インディーズアルバムが完売して再プレスをしないと決めた時からメジャーデビューアルバムの話を神木清流や田沼総一とも契約しているリルフィーレコードからもらっていたSTC。
担当の宮本さんから聞いた話は、事があまりに大きすぎて賭けの要素も含まれていましたが概ね納得のいく内容だった事からアルバム制作に向けて話は進んでいきます。
そのアルバムには新曲も入れようと話していて、雪はメンバーに”春暁”を聞かせます。
雪としては今できる”春暁”を、STCのメンバーたちと弾いてみたいという「欲」があったのでしょう。
それはもちろん、若菜と相談したうえでと考えていました。
しかし、その話をしているときに澤村若菜が大河ドラマの主題歌として”春暁”をリリースすることを発表します。
若菜はこの年の日本有線大賞を受賞して、年末は各歌番組引っ張りだこという状況で、更なる飛躍のための”春暁”という曲の披露。
雪が”春暁”を弾きたいという事は若菜ももちろん知っていて、若菜も”いずれ”は弾きたいと考えていました。
しかし、何も雪に伝えないままに世間への公表は若菜の思うところでは無かったでしょう。
何が言いたいかと言うと、曲の権利を持っているのは松吾郎の娘である梅子だったのです。
雪の怒りの新曲
STCのライブツアーを終えて、「竹の華」を貸し切っての打ち上げを行ってくれることとなりました。
この打ち上げの場に神木清流がリルフィーレコードの宮本さんに連れられてバラの花束を持って訪れます。
以前は雪にイラついていた清流ですが、それは雪が自分の才能に甘えて弾きたいときにだけ弾くという我儘な弾き方に苛立ちを感じていたから、今は津軽三味線の裾野を一緒に広げる同志のような感じです。
神木清流は、生きるために弾いていた三味線なのでプロ意識がめちゃくちゃ高いんですよね。
だからこそ自分の殻に閉じこもらずにSTCというユニットを組んで音の可能性を広げようとしている今の雪には好意的なんだと思います。
更に、梅子と若菜が打ち上げの場に登場します。
梶が気を利かせて若菜に問い合わせフォームからメールを送っていたよう。
若菜はただ冷静に挨拶をするだけで、むしろ梅子は金城さんの奥さんとバトり女将にドヤされたりと相変わらず場を荒らしています。
さすがに雪じゃなくても怒りますよね。
突然の訪問での奔放な振る舞い、”春暁”問題と募り募った雪は怒りに任せたような新曲を弾きます。
後にこれを改変して”荒天の調べ”という曲名が付き、新アルバムに入る事となります。
”怒り”は上手くコントロールすると、とてつもない力を出すという事は知られている事ですが、今後”荒天の調べ”が物語のキーとなっていくのでした。
「ましろのおと」~20巻ポイント
- 神木流絃がSTCの前座で”じょんがら節”を松悟郎の音と神木流絃としての音を演奏
- STCは雪を中心に松悟郎の音からさらにその音を進化させた音を披露する
- STC,青森の地を離れる
- 東京に帰り、雪は桜ちゃんに大きなおにぎりを所望する
- 新アルバムの契約の件で、リルフィーレコードの宮本と会う
- 新アルバムに”春暁”を入れようとしたが、その前に若菜が大河ドラマの主題歌として発表
- ライブツアーの打ち上げを「竹の華」で行う
- 梅子と若菜がその場に現れる、春暁の著作権が梅子にあることを知る
- 雪はその事への怒りと募りのような曲を打ち上げの場で披露する
- 若菜、日本有線大賞を受賞して年末は歌番組に出まくる生活を送る
- 年始たぬきち食堂の大家・住民でSTCも含めて食事をとる
- その後、雪は桜ちゃんも含めて打ち上げの場で披露した曲を完成させる
- STCの2ndアルバム発売日に若菜の2ndアルバムをぶつけられる
最後に
ライブツアーから下宿先に帰った時、雪が桜ちゃんにお願いしたのは大きなおにぎりでした。
落込んでいたり、大会のたびにお弁当を作ってくれたりと桜ちゃんは雪の胃袋をしっかりと掴んでいます。
そして1巻から登場している松吾郎の”春暁”。
大人の事情も絡んできての問題が発生していますが、雪にとっては若菜との感情的な問題です。
雪が若菜に感じている寂しさは、このように勝手にやっていると思ってしまう所なんでしょうね。
ではでは、最後までお読みいただきありがとうございました。したっけね!
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