こんにちわ、歴史と漫画好き。
いのまんです。
今回は、羅川真理茂先生の「ましろのおと」3巻の感想を書いていきます。
※最後にポイントを箇条書きしたものを乗せています。お急ぎの方はどうぞ。
「ましろのおと」~作品詳細
作者:羅川真理茂
出版社:講談社
ジャンル:仕事・青春・音楽
前巻あらすじ
朱利の幼馴染である矢口海人と山里結衣が入会して遂に始動した津軽三味線愛好会。
目標をどうするか考えていたところ、雪の母・梅子によって三味線甲子園「松吾郎杯」が開催されることが決定された。
大会に向けて練習を始めるが、団体戦の部員が集まらなかったり、指導者がいなかったりと問題は山積みとなっていく。
しかし、雪に頼りっぱなしだったと考えた朱里が放課後一人校門の前で演奏してそれに雪が触発されたことによって、三味線経験者の永森雷が加わることとなる。
そして、かつてサッカーのスター選手だった海人は雪の態度に怒りが頂点に達して勝負することになる。
海人の気持ちを理解したのかしないのか、雪は神木清流の三味線を海人に使うように言うのだった。
「ましろのおと」~4巻あらすじ
津軽三味線甲子園「松吾郎杯」にむけて練習を重ねる愛好会の面々。
(ほぼ)素人集団で、それぞれの課題を克服できるか!?
神木清流からのアドバイス、また師匠・大俵先生の力を借りて優勝を狙い、愛好会は津軽での合宿を慣行する!
さらに、雪(せつ)の団体戦への出場を知り、青森に住む田沼舞たちも練習に熱を入れていく。
神木清流にとって雪はパンドラの箱
じょんがら節の基本である「六段」をとりあえず弾けるようになった梅園学園三味線愛好会一同。
雪も雷ちゃんや海人に触発されてか、個人戦への出場を告げます。
(登録は梅子が勝手にやっていたので、逃げることもできなかったと思うけど…)
さらに練習に熱が入る一同。
しかし、三味線指導をしてくれることとなった和楽器ショップの店長・大俵先生より大会課題曲「新節」を聞くと、すぐにめげてしまう初心者連中でした。
そこにギャルっぽく頼りにできなさそうな小藪先生から師匠先生への態度を叱られ、雪も今回は「教わる側」に回りなさいと告げられました。
テンションのアップダウンの激しさは高校生っぽいですね、ここら辺羅川先生は描くのすごく上手です。
なぜそんなアドバイスが小藪先生にできたかというと神木清流と連絡を取り合っていたからですね。
洸輔としては雪の演奏に気になって仕方ないようです。
洸輔は2度澤村の音を聞いていますが、一度目はライブ会場での「つまらない音」2度目は「怒りにまかせてたたいた音」、どちらも雪の実力の片鱗しか見えない演奏にすぎませんでした。
では、なぜそんな音しか見せない雪が気になるのか。
おそらく、不気味な存在というのが言葉通りのイメージでしょう。
自分と競い合う相手になるのかどうかが気になって仕方がないようです。
なのでわざわざ学校に行って、アドバイスをするという名目のためだけに登場します。
そして、再度雪に演奏するように言います。
洸輔が聞いたの2度の演奏は、雪にとって意味が見えない演奏でした。
今回は、大会に向けてみんなと足並みをそろえて頑張るといった意味のある演奏でした。
初めは雪の大会課題曲「新節」の独走でしたが、途中から洸輔を交えての演奏へと切り替わります。
洸輔は結局雪と演奏しただけで帰ってしまいましたが、二人の演奏した「新節」は制限時間内に収まる曲となり、アドバイス以上のものをいただく事が出来ました。
青森合宿へ出発
結衣がチャットで田沼舞と知り合い舞の演奏を聴くきっかけがありました。
雪と清流からもらった曲があれば優勝だと思っていた結衣が、舞の演奏を聴くと今のままでの演奏では優勝できないと思い、約1ヶ月で「新節」を弾けるようになります。
自分は元吹奏楽部・東日本出場者なので音楽の事は若干わかりますが、いくら経験者がいても初心者集団が丸々一曲を弾けるようになるにはめちゃくちゃ時間がかかります。
経験者の集団でも、大体4月からコンクール用の曲を練習し始めて7月末の地方コンクールへ出場します。
その間に、個人錬・パート練・合奏と練習を重ねていって望むものなので1ヶ月というのはもの凄く頑張らないとできない期間です。
そのメンバーの熱意に答えるために、師匠・大俵は青森での合宿で総仕上げをすることを決意します(1週間もお店を休んでの合宿は個人経営店にはきついはず!)
なぜ青森なのか、青森を知らなければ津軽三味線をしてはならないのだろうか?
という疑問を雪は投げかけます。
その問いに大俵は、津軽三味線ができた生い立ちを話します。
津軽三味線は、士農工商の階級制度からさらにその下に銭民階級という階級が盲目の人たちはこの階級に分類され差別されてきました。
明治に入り、階級制度自体は廃止されたが差別自体はなくならなかった。
江戸時代までは「当道座」という組織に入らなければいけなかったが、明治の制度廃止により解体。
自由に弾けるような時代になっても、盲人たちの暮らしは変わらず、諸国を回りながら生活を送る日々が続きました。
そのように廻る人達を”ホイド“と蔑みます。
彼らは演奏して、体の前にぶら下げた布の中に入るお金の音や食料を感じながら、つらい生活を耐え忍んで生きてきた。
津軽三味線の祖・仁太坊が、弟子を作り、弟子がまた弟子を作る。
そしていつの間にか、目の見える者たちも津軽三味線を弾くようになっていった。
昔は、障害を持つ者に対して決してやさしい時代ではありませんでした。
だからこそ、障害を持たない者が三味線をやるなんてことは信じられなかったでしょう。
しかし、良いものは良いと思える心を持つ人がいて、その心こそが日本人としての魂でその音が日本人の”ブルース”となる。
信じられないと思われる行動は新しいものを生み出し、そして今の奏者も新しいものを生み出すことを追及しています。
津軽三味線の歴史を知るも知らないでも、津軽三味線を弾くことはできます。
けど、先人たちの思いを感じて敬ってほしいという事から、大俵師匠は青森へ合宿へ行った。
この言葉は、大俵師匠を通じて羅川真理茂先生のメッセージなんだなと受け取っています。
技術的な練習はもとより、想いを音楽にのせていくことが大事だという事は、これまでの雪の演奏からもわかることですよね。
愛好会メンバーと共に、読者としてもしっかりと受け取りたいメッセージでした。
最後に
松悟郎は聴衆が何よりも教えであり、自分が弟子を取ることがそんなに重要ではないと若菜に話していたようです。
その言葉は、「聞き手に育てられるタイプの奏者」と評した洸輔のセリフと一致しています。
きっと雪には、本質的に自分が成長するために必要なものがわかっているんじゃないかなって思いますね!
ではでは、最後までお読みいただきありがとうございました。したっけね!
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