こんにちわ、歴史と漫画好き。
いのまんです。
今回は、羅川真理茂先生の「ましろのおと」2巻の感想を書いていきます。
「ましろのおと」~作品詳細
作者:羅川真理茂
出版社:講談社
ジャンル:仕事・青春・音楽
前巻あらすじ
祖父・松吾郎の死をきっかけに東京に出てきた雪は、芸能人である立樹ユナに拾われた形で同居することとなる。
しかし、ユナは雪の演奏を聴いて夢を諦めて故郷へ帰る事を決心する事とした。
ユナとオン別れを済ませてユナの元彼であるタケトといた時に、急に扉が壊されて母・梅子が現れた。
気が付いたときには下町の下宿におり、流されるままに高校の転入も決まるのだった。
「ましろのおと」~2巻あらすじ
奇想天外な母親・梅子に無理やり入れられた学校にも、徐々に慣れ始める雪。
ある日、クラスメイトで三味線同好会に所属している前田朱利(しゅり)が祖父・松吾郎が遺した即興曲”春暁”のフレーズを聴いているのを発見する。
何故、その曲を知っているのか?
雪はその理由を朱利に問いただすと、朱里の祖母が幼少の時に聞いた思い出の曲だとの事だった。
朱利は雪に”春暁”を弾けるかどうか問いかけるが雪は弾くのを一度は断ります。
しかし、朱利の熱心な想いにこたえるべく雪は”春暁”に挑戦する事となった。
兄・若菜の想い
高校転入の手続きで、青森にいる見た目はお父さんだけど19歳の兄・若菜が来てくれました。
雪が部屋の扉を開けると現れた若菜に対して、腹パン入れてます。
「あっ、本物だ」
って笑、男兄弟ってやっぱりこうゆう事するのだろうか?笑
雪と違い真面目な若菜は、雪の高校再入学の世話をするために上京してくれています。
しかし、東京に来る直前に弘前での全国大会に出場して3位入賞の成績だったとのことを報告して、上には緒方耕助に田沼総一がいると言うと悔しさをにじみだしていました。
若菜ちゃんの中では万年入賞止まりの自分の演奏のどこを伸ばしていいのかがわからずに壁に当たっていることが伺えます。
その事にうまく言えない雪ですが、
「たくさんの三味線の音が鳴っていても若菜ちゃんの音はわかるよ」
と伝えます。
もしかしたら、雪は自分の音を探している最中だが若菜は、自分の音を持っていて後は技術が追いつくかつかないか。
と言う感じなのかと考えられるかな。
雪はぶっきらぼうな物言いをするけど、人を突き放すような冷たい人間では無いです。
優しいからこそ、ストレートな言い方になってしまうのかなって思いますね。
三味線同好会
津軽三味線を三味線同好会で一人やっている前田朱利が、音楽室にあった三味線を組み立てようとしている所に雪が居合わせます。
その三味線は、学園OBで世代NO.1奏者である緒方洸輔が置いていった三味線でした。
雪の事をピンク・パンク・ガジェットのライブに出ていたことで知っていた朱利の幼馴染・山里結衣は、雪に三味線同好会に入ることを進めてきます。
しかし、雪はその誘いは断るものの朱利が聞いていた音楽が、雪の祖父である松吾郎の即興曲”春暁”だった事に興味を持ちます。
同好会として、神木清流の三味線の使用許可をもらうために緒方洸助のライブに一同向かいます。
ちなみに洸輔が置いて行った三味線は「150~250万クラス」のわかる人が見たら、めちゃくちゃ高価な代物。
洸輔は神木清流という名取名をもっており、雪の同級生だった田沼舞の父親である神木流絃を師匠に持ち、現在は神木清流の名前で活動をしています。
舞から雪の事は聞かされていて伝説の奏者松吾郎の孫という肩書もあった為、顔は知らないが名前だけ知っていました。
そこに偶然居合わせた雪をみて、いきなり雪に演奏をするように言います。
洸輔の前で演奏する理由がわからない雪は、平凡な演奏をしてしまいます。
雪は演奏する意味が無いと弾けないという事です。
ちなみに「つまらない演奏をしやがって」と清流にキレられてます。
神木清流は爽やかな顔してるけど、腹の中は真っ黒です。
即興曲”春暁”
朱利が”春暁”を知っている理由は、朱利の祖母が戦時中に疎開先で聞いたことがきっかけで”春暁”を知っている事がわかりました。
雪はその想いにこたえようとして新たに”春暁”の練習を始めるが、「手が4本や指が20本もあるような演奏」と例えられるほどの速弾きの難曲で、練習も難航している雪。
手こずっている雪の元に現れたのが、ユナの元彼でなぜか仲良しのタケト。
タケトはバンドでギターを担当しており、曲を譜面にする仕事も行っていました。
その知識から、速弾きで弾けない所をどうするかという質問に対して、手数を減らして曲として成立させるという方法を教えました。
今まで、松吾郎の模倣・真似をしていた雪にとっては目から鱗のアドバイスだったでしょう。
(ちなみにアニメ版だとこのシーンはカットされていて、なぜか永森雷ちゃんが登場します)
手数を減らした”春暁”を携えて、雪は朱利のおばあちゃんの為に演奏します。
雪流にアレンジされた”春暁”。
しかし、朱利の祖母が聞いた”春暁”とは全然違ったようです。
朱利の祖母が聞いた”春暁”よりも雪の方がずっと上手だったとの事でした。
当時の松吾郎の三味線は、皮は破れて糸は切れたのを紡ぎ直しているような見すぼらしい物でした。
しかし朱利のおばあちゃんにとっては本当につらい時代だったからこそ、松吾郎の”春暁”は何十年たっても記憶に残る曲となったのでしょう。。
優しくて生きる勇気与える松悟郎の音
痛みを癒す優しさがある雪の音
雪が無くなったの思っていたじっちゃの音は、雪の中に確かに音が受け継がれていっています。
最後に
神木清流に聞かせた演奏は平凡、しかし朱利のおばあちゃんに聞かせた演奏は記憶を蘇させる演奏でした。
両者の違いは、聴者。
雪の実力を知りたいという欲望では雪は演奏できなかった。
しかし、朱利のおばあちゃんのために弾く”春暁”は、老人ホームの入居者全員を感動させるだけの演奏をしています。
聞く人の想いによっても演奏というものは全然違う曲となるんでしょうね!
最後までお読みいただきありがとうございました。したっけね!
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