こんにちわ、歴史と漫画好き。
いのまんです。
今回は伝説の名作と呼ばれている「ミミズクと夜の王」のコミカライズ1巻を読んだ感想を書いていきます。
元々は原作・紅玉いづき先生によって電撃文庫で連載されていたライトノベルらしく、第13回電撃小説大賞も受賞している人気作みたいです。
本屋で別の本を探していたのですが、ボロボロの服を着た少女の後ろを羽の生えた謎の怪物が飛んでいる表紙。
そして単行本帯には「私を食べてよ、夜の王様・・・」
タイトルと共にビビッとシックスセンスが働いたので、久々に表紙買いしました。
それでは感想を書いていきたいと思います。
「ミミズクと夜の王」~作品詳細
作者:原作・紅玉いづき
作画・鈴木ゆう
出版社:白泉社
ジャンル:ファンタジー
発行巻数:既刊1巻(2021年4月現在)
あらすじ
額に「332」の焼き印を付けられた、ミミズクと名乗る人間の少女が魔物の棲む森を歩いている。
彼女の願いは「自分が魔物に食べられる事」。
ミミズクは魔物の森の支配者である”夜の王”に出会う事ができた。
しかし自分を食べてほしいと望みを伝えたが、「私は人間を好まぬ」と拒み目が覚めると違う魔物が傍にいた。
その魔物は”夜の王”食べなかったのであれば自分も食べることはできないと話したため、”夜の王”に食べてもらうために森で暮らすこととなるのだった。
登場人物
ミミズク
着ている服はボロボロで、両手両足に鎖をつけて、額には「332」の認識番号が焼印されている少女・ミミズク。
奴隷であった事は確実でそこから逃げ出してきたのだが、目的は自分の死。
森の王に食べられるのが最高の幸せだと考えている。
夜の王・フクロウ
人間のような風体で背中に大きな羽のある月の眼をした魔物。
森の支配者で、”王”。
ミミズクに「食べてほしい」と懇願されるがそれを拒む。
いつも空虚な雰囲気で何を考えているのかはわからないが、時にミミズクを気遣うような発言をする。
クロ
ミミズクが森で倒れていたところを保護する。
ミミズクの10倍以上ある体格で、眼は無く、腕が4本ある魔物。
だが、行動を共にするときには頭に乗れるサイズくらいにデフォルメ化する。
ミミズクに食べてほしいと言われるが、”夜の王”が食べなかったので自分は食べれないと拒否する。
その変わりにミミズクを”夜の王”に会えるように道案内をする。
ミミズクの死生観に引き込まれる
手足に鎖、焼印、ぼろ服と表紙を見ただけでおそらく奴隷だろうとわかる主人公の女の子・ミミズクだが、めっちゃ笑います。
と言うよりも教育を受けていないため、知性が育っていないんだろうという感じです。
そんな子が自分の幸せは魔物に食べて死ぬことだと1話で言っているんですから、この子の死生観は冒頭から狂っていますね。
例えば、「私、服に囲まれていたら幸せなんです~」や「自分、ゲームができれば幸せです~」なんて言ってる人たちのお話に興味を湧く人はそんなにいないと思うんですよね。
あ~、服好きなんだ。ゲーム好きなんだ。って思うだけで、そのジャンルに興味が無ければ対して興味も惹かれないと思うんです。
けど「私、死にたいので食べてください」っていう主人公を見てどう思いますか?
確実にヤバいやつって思いますよね。
物語途中で、ミミズクが血まみれの手とナイフを持った姿を回想します。
「盗賊」の村の奴隷だったという話も出る事から、人を刺して逃げるにはあまりに幼すぎる事から、死体処理に関しての仕事をさせられていたのかと予想します。
もしそうだとしたら、ミミズクの死生観が狂っている理由にもなりますから。
夜の王に会いたい理由は自分を食べてもらうため、けど王は食べてくれない。
王は食べない理由を話してくれます。
ミミズクの鎖を憐れんでくれます。
ミミズクの焼印を別の模様に変えてくれます。
夜の王がなぜそんな行動を取るのかわからないが、ミミズクが温かい気持ちに包まれていく様子にほっとします。
もっと違う幸せを噛みしめて!
夜の王は魔物の森で何を考えているのか?
”夜の王”がしない行動は森の魔物もしない。
つまり、”夜の王”がミミズクを食べないなら森の魔物たちも食べてはいけないというルールみたいなものがあるようです。
それほどの権力を持っているんですが、森の魔物たちの情報が少なすぎてイマイチ謎に包まれた王様です。
森の魔物たちが群れを成さないように、”夜の王”もいつも一人でいますが、いつも寂しそうな様子をしています。
木の枝にポツンと佇むその姿は、ミミズクが付けた「フクロウ」という名前そのもの。
それに対してミミズクは「人間じゃないよ、家畜だよ」と返しますが、その言葉を言ったミミズクに対して憐みのような表情をします。
そして汚れているのは魂だと伝えます。
違う漫画で人間を食べたら、魔物になってしまう話ありましたね。鬼になってしまうなんて話もありましたね。
人間を食べないというのは、ほかの作品と似たような理由かもしれませんね。
基本、ぶっきらぼうで冷たい話し方をしますが、ミミズクがとる行動に対して疑問が浮かぶようです。
ミミズクを食べない理由は「人間は汚いから」。
何となくですが、”夜の王”は昔人間あったのではないかと思ってしまいます。
「森の魔物たちはあまり人間を食べない」とも言っていましたし。
”夜の王”が出している雰囲気は、寂しさからくる孤独感なのかもしれません。
あくまでも想像、今後の王の行動に注目します。
さいごに
タイトル通り「ミミズクと夜の王」の二人のお話です。
けど人間の王国・レッドアークに聖騎士様なるものも登場しますので、今後は森の魔物たちと人間の国との争いが待ち受けているでしょう。
物語の根幹は、死が最高の幸せと思っているミミズクの想いが変わっていき、森の魔物たちと仲良く暮らすというラストだと思います。
(王道とも書かれていたので多分そんな感じ)
読み手をファンタジーの世界観に連れて行ってくれる独特の雰囲気がある物語。
最高におすすめできる作品です。
ではでは、最後までお読みいただきありがとうございました。したっけね!
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