こんにちわ、歴史と漫画好き。
いのまんです。
今回は、直近でもレビューした漫画雑誌ハルタで連載中の「ヴラド・ドラクラ」最新4巻を読んだ感想を書いていきます。
「ヴラド・ドラクラ」~作品詳細
作者:大窪晶与
出版社:KADOKAWA
ジャンル:歴史
発行巻数:既刊4巻(2021年2月現在)
3巻までのあらすじ
貴族達の中心的存在だったアルブを誅殺する事でヴラド3世はワラキア公国の中央政権化に舵を取る事に成功しました。
そして大国・オスマン帝国の後の皇帝・メフメト2世とヴラド3世との出会いがあり、そして友情と別れの改装が描かれていました。
大国・オスマン帝国より法外的な貢納金を要求された事によって国の存続が危ぶまれることとなってしまいます。
ヴラド3世は大国に遜る事を良しとせずに1年だげ貢納金を支払い、1年間の猶予を得ました。
その間にハンガリー王マーチャーシュ1世の従姉妹イロナ・シラージとの政略結婚そていハンガリーと同盟を結び、国力増強と軍事増強を図っていきます。
そしてその1年後に貢納金を収めることを良しとせずに、対オスマン帝国へ反旗を翻した。
ワラキア・モルダヴィア・ハンガリー同盟
このオスマン帝国との戦いはヴラド3世のエピソードの中でも最大のエピソードになります。
宣戦布告をした大国・オスマン帝国へ対抗するためにヴラド3世は、同じく小国で盟友のモルダヴィア公国のシュテファン公に援軍を頼みます。
モルタヴィ公国もワラキアが攻め滅ぼされてしまっては、次にオスマン帝国が狙うのはモルタヴィ公国となる為、ぜひともワラキア公国には防衛してほしかったと思います。
まさしく前門の虎(オスマン帝国)、後門の狼(ポーランド帝国)をワラキア・モルタヴィアの両小国で抑えていかなくてはならなかったんですね。
圧力の強い上司を一人で相手にするのは大変ですからwww
そして大国であるハンガリーは、ハンガリー王マーチャーシュ1世の従兄妹であるイロナ・シラージと政略結婚したことによって同盟関係にあります。
(初めイロナはハンガリーからのスパイだったけど、後にヴラドに惚れます!)
妻・イロナは下唇が赤くぷっくりした作画の為、めっちゃ色っぽく描かれていて魅力的なキャラです。
こうして、モルタヴィ公国から援軍2万、ハンガリー帝国から3万4千、ワラキア公国2万、計7万4線の兵士を集めることに成功します!
対するオスマン帝国は、小国相手にする場合では4万の兵力である考察から数の上では勝てる算段が付きました!
と言いたかったが、その目論見はすぐに瓦解してしまいます。
まず、モルタヴィア公国は北にポーランド帝国によってワラキア公国へ援軍を出す事を良しとしませんでした。
小国であるモルタヴィアも、また自分たちの意思で動くことが叶わないというジレンマを抱えているのですね。
そして、ハンガリーにはオスマン帝国のメフメト2世から「ワラキアに援軍を出さなければハンガリーには進軍しない」という旨の手紙を送り、ハンガリーもまた援軍を出すことを拒否するのでした。
結局、ワラキア公国は自国の2万人でオスマン帝国・6万人と超絶寡兵で対峙することになってしまいました。
戦争の開始
ワラキア公国とオスマン帝国の国境は、ドナウ川を境にしています。
開戦はこのドナウ川の攻防から戦争は始まりました。
開戦当初は、大きな川を挟んでいる事から防衛側(ワラキア)が有利に戦争を進めていますが、オスマン帝国はすぐにその対策を立ててきます。
ワラキア兵が手薄な方に船を並べて渡河できるようにして、軍の側面から叩いてきています。
更に、その当時最新兵器でもある火縄銃まで出してくるのだからワラキア軍の優勢は一気にひっくり返されてしまいました。
水際での優位性が失われてワラキア軍は撤退を余儀なくされます。
しかし、ただ撤退するのではなくオスマン軍に対して奇襲をかけようとする者の味方の謀反にあり劣勢は極まるばかりでした。
ワラキア軍2万人:オスマン軍6万人
この時代には大量破壊兵器が無いため、人数の優劣が戦局に圧倒的に影響されてしまう時代でした。
いくらワラキアがホームだったとしても、人数の差には勝つことができません。
ここで、ヴラド3世が取った驚きの作戦が”焦土作戦”です。
首都トゥルゴヴィシュテまでの道のりにある、ワラキアの町、 王様であるヴラド3世にとっては自分の体の一部のような街を焼き払ってしまい、井戸には毒を入れます。
当時は物資の調達が全て略奪によってなされていた為、その効果は抜群でした。
ヴラド3世が苛烈で残酷、串刺し公というようなあだ名がついても改善されなかったのは、このような冷酷無比な作戦遂行によるものだったのではないかと思いますね。
オスマン軍は物資調達もままならず、さらにはゲリラ戦ぽを取るワラキア兵似も疲弊させられます。
心身ともに削り取っていくヴラド3世が個人で行う作戦はまさかの潜入???
オスマン帝国・メフメト2世は漫画のような人!
「征服の父」「2つの海と2つの大陸の支配者」という称号を持つ、メフメト2世。
こんな称号を持っている時点で、FGOに出ても良かったんじゃない?
敵国側には「破壊者」「キリスト教最大の敵」「血にまみれた君主」なんて恐怖を煽るような異名までつけられているんですから、畏怖って言葉がそっくりそのまま当てはまりますよね!
まあ、Fate/zeroのイスカンダルとほぼ丸被りだと思うんですけどねwww
なんで「征服の父」という異名があるかというと、このワラキアの戦いの前に行った戦争がゆかりとなっています。
それは1453年の”コンスタンティノープルの陥落”にあります。
コンスタンティノープルは東ローマ帝国の都市の名前で、東ローマ帝国は395年建国とすでに千年以上を同じ政権で担っている途方もない長期政権です。
(ワラキア公国は3年に一人は攻守が変わっているのにwww)
この時のビックリ作戦が、戦争の膠着状態を打開すべく、金角湾の北側の陸地に油を塗った木の道を造り、それを使って陸を越え70隻もの船を金角湾に移す作戦に出ます。
”オスマン艦隊の山越え”呼ばれるこの奇策は成功し、これによりジェノヴァ船による援助物資の供給は阻止され、東ローマ帝国軍の士気をくじくことになっています。
そんな大国の首都を包囲・陥落させたことで1000年以上続いていた東ローマ帝国は滅亡へと追い込んでいます。
この戦争でオスマン軍約10万人を投入しています!
その10年後のワラキアの戦いで6万人も投入してくるとか、なまら草生えるわ!
Wikipediaを調べたら、49歳で亡くなっているのに大きな戦の数だけでもゴロゴロと出てきては支配地は広げているのだから怪物みたいな皇帝だったのでしょう。
ちなみにメフメト2世、齢21歳の時の出来事です。
自分が21歳の時なんて、牛のふんが薫るキャンバスでぼーっとしながら授業を受けてたボンクラだったのに。。
最後に
4巻もかなり展開が早く描かれています。
ヴラド3世にとっては、オスマン帝国との戦争は最大の山場だからもっと引き延ばして書くことも可能だと思うんですが、事実のみを過激に描かれていました。
キングダムだったらこの戦いだけで15巻くらいはかかってしまいますねwww
そして5巻ではこの戦争も終結へと向かうでしょう。
どんな結末が待ち受けているのか、おそらく勝てないでしょうから・・・
では最後まで読んでいただきありがとうございました。したっけね。
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